2001/12/21 (金)
●子供に与えるテレビの影響 1400人、10年以上追跡調査へ(朝日)
さて、なかなか「二次元ドリームマガジン Vol.2」を手に入れられない、ユリです。「Vol.1」はすぐ手には入ったんですけど、同じ店に「Vol.2」が入荷されていないみたいなんです。 別にらいうん先生とちゆちゃんが載っていなかったら、こんなクソ雑誌は買わないんですけどね。 余談ですけど、ユリの知人にこの「二次元ドリームノベルズ」編集部に原稿を見せに行った人がいるんですけど、その時に「んー、ふたなりは今時流行らないよ」と言われたそうです。ならば何が流行りか訊ねたところ、「やっぱり触手でしょ」と即答されたとのこと。さすが、ちゆちゃん曰く、触手登場率44%の雑誌を作る連中だけのことはあります。みなさんの回りで、触手って流行ってますかー? ユリとしては、触手といえば「イクサー1」か「ラル(初代)」なんですけど。
そんなわけで、今日のニュースです。 ちょっとソースは古い(12/17)んですが、よく取り沙汰される「子供へのテレビの影響力」について、長いタイムスパンで調査するプロジェクトが始まるそうです。名づけて、「子どもに良い放送」プロジェクト。あまりにひねりのないネーミングで脱力します。 来年生まれる子供から1000人、同じく来年に3、6、9、12歳になる子供から各100人、計1400人を対象に、十年以上の期間をかけて追跡調査していくようです。つまり筋金入りのストーキング行為のようなものでしょうね。 実際、かなりプライバシーの領域に踏み込む調査になるので、倫理委員会も併設していくとのことです。それでプライバシーや人権が守られるかどうか以前に、新生児をこの調査に託す行為自体が親が勝手に子供を売り飛ばすようなものの気がするので、意地悪く言えば単なるクレーム処理班に過ぎないんだと思います。
ユリとしては、このプロジェクトの存在意義はかなり怪しいと見ています。いくつか理由をあげてみましょう。
1.完全な無作為として母集団が抽出され得ない 視聴率調査でも抱えている問題です。どんなにランダムに調査対象を選んだとしても、こうした調査には相手の承諾が必要なわけです。つまり、その申し出を受けたか断ったかの時点で、すでに調査対象が限られているというジレンマが存在するということになります。 こんな調査を受け入れる人なんて、それなりにメディアに危機感を抱いていたり、それなりの方針ができあがっている人ぐらいでしょうから、公正な調査にはなり得ません。いくらなんでも、調査の為に子供にホラーばかり与える親はいないでしょう。
2.メディアの多様化が原因の特定を困難にする ひと昔以上前だったら、全部「テレビ・ビデオ・ゲーム」のせいにできたでしょうが、現時点ですらインターネットのような代替物が登場しているわけです。十年後になれば、更に新しいメディアが拡がっていくことも考えられ、それらの影響を判断するのは至難のわざだと思います。 携帯の出会い系サイトや口コミもメディアのひとつですし、いくら監視の目を光らせていたとしてもとりこぼす要素も否定できないため、最悪メディア狩りの端緒を開く可能性も捨て切れません。
3.家庭環境の正しいデータの入手は微妙 家庭環境については親による自発的な報告を主とするしかありませんが、当の親がどの程度のことまでを自己申告してくれるのかは微妙なところです。たとえば、親のセックスを子供に見られた場合、それを報告するかどうか。あるいは父親が浮気をしていて家庭のムードが悪くなっていることを、どこまで報告するのか。 子供たちには各種心理試験を行なうようですが、それならば親にも行なうべきでしょう。メディアの影響力に気を取られて、子供たちが最も影響を受けるのは親であるという事実を忘れるべきではないと思います。
4.調査の事実自体が子供に与える影響力 いくらなんでも、子供たち本人に内緒で調査を続けるのは不可能です。となると、「自分は見張られているんだ」という認識が生じるため、とても素直にメディアに触れるとも考えにくいです。具体的な例を挙げてみますと、小学一年生の時、道ばたに貼ってあったピンク映画「痴漢電車」あるいは「団地妻」のポスターを見てちんちんが熱くなった少年がいるとします。そのことを素直に伝えた途端、調査側が興味を示しますので、少年はその証言の中には相手の興味をひく「なにか」があったことを知るわけです。こうした状況が重ねられていくことで、子供たちはやたらと耳年増になったり、逆に一切えっちなものに触れなくなったりと、極端化する可能性が高いことが推測されます。 観測者が対象に影響を与える、まるで量子力学的な状況ですね。
これらの問題点を突きつけても、きっと調査団体は「そんなことは考慮している」としか答えないと思いますので、ユリは別にメールを送ろうとも思いません。まぁ、良心的に行なっている限りは何もしないよりはマシだとも思いますので、期待しないで事の成りゆきを見守っていくことにします。
|