2001/12/06 (木)
●読書活動推進法 参議院で可決、成立 読書環境の整備に弾み(毎日)
さて、愛ゆえにユリです。
今日のニュースは今日中に、と思っていたのにもかかわらず、つい「魔法使いTai!」と「ナジカ電撃作戦」を見てしまいました。どちらもかなりアニメオタク向けの作品ですけど、見始めるとクセになります。特に「ナジカ」はフィナーレが近づいてきたこともあって、なかなか緊張感のある展開になってきました。パンチラだけじゃなかったみたいです。
などとオタクな方々にも理解があるように見せかけつつ、今日のニュースです。
「読書活動推進法」なんてものが、参議院で可決しちゃったそうです。なんでも「子どもの読書活動推進を国や自治体の責務としている」そうで、いろいろと推進計画も画策中だとか。
なんだか根本的に勘違いしちゃっているような気がします。子供が本を読まなくなった、それは事実かもしれません。でもそうなったのは「国の責任」なんかじゃなく、単純に「親が読んでいないから」ですよ?
どんな偉そうな態度で「本を読みなさい」なんて言ってみたところで、お手本としての親が読書を放棄している現状では「読書なんて必要ないじゃん」と思うのがあたりまえです。逆を言えば、読書家の子供はやっぱり読書家になることが多いです。「読書は大切」「読書はためになる」なんて繰り返し唱えるよりも、まず親が読書を楽しむべきです。そうすることで、子供たちは読書に対する「きっかけ」を得ることができるのです。「面白そう」という、自発的なきっかけを。
また、子供に大した判断力はありません。だから国や自治体、学校が「こうしろ」って言えばそうする、そんなわけありません。判断力が鈍かろーが鋭かろーが、人間はラクな方、楽しい方に進むのがあたりまえです。本ぐらいしか娯楽のなかった時代は終わり、今ではマンガ、テレビ、ゲームなどの娯楽が溢れかえっています。純粋に子供たちは「読書よりも他の娯楽の方が楽しい」と思っているだけのことに過ぎないのだと思います。
つまり、子供たちの読書離れを解決するためには、こんな法案なんかよりも他にするべきことがあると思います。おとなが読書を楽しむこと、他の娯楽に負けない面白い本をつくること、そのふたつのことを果たすことができたら、問題はあっさり解決します。
無理なことだと思うかも知れませんが、それは正しいです。つまり、問題解決は無理だとユリは思います。どうして全体的な出版不況の中で、子供たちだけが本を読まなければなりませんか? そんな考え方自体が変わらない限り、なにも変わりません。
でももし解決したとして子供たちが本をたくさん読むようになったら、今度はきっと「子供の活字中毒」を問題視して法律を作ろうとするんでしょうけどね。自分たちの理解を超えてしまうと途端に規制したくなる、そんな狭量が子供たちを押しつぶしてしまうような気がします。
後味悪い結論になりましたので、口直しにエピソードをひとつ。
ユリの記憶はもらいものですが、今回のニュースを読んで小学校自体に校長先生に言われた言葉が思い出されました。趣味の話をしていると「読書が好きなんだ、偉いね」と校長先生は言いました。違います。本は好きだから読むもの、面白いから読むものであって、決して強制されて、学習のために読むものではないんです。褒められる筋合いはありません。
教育機関の先生方は、そんなふうに憤りを感じた子供がいたことを、ぜひ知っておいてほしいと思います。もう忘れてしまったかもしれませんが、子供たちのプライドは思いのほか高いものなのです。
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