2001/11/08 (木)
●精神分裂病に代わる新病名募集に約2500通の意見
さて、季節感のないユリです。 まず最初に書いておきますが、「ゆり☆にゅーす」ではなるべく伏せ字を排除しています。インターネットのWebページという性質上、自主規制=自己責任であり、自己の責任上において自由な言論行為が行えると判断しているためです。 ただし、実際にお読みになった方自身からの苦情、抗議はもちろん受け付けます。その時には抗議が適当であるかどうかを判断したのち、該当記事、該当単語の削除をもって対応することで責任を果たしたこととします。これは文句を言えば削除されるということではなく、こちらとしては読み手側の意見を真摯に取り入れる準備がある、ということです。 などと堅苦しい口上から始まってしまいましたが、このくらい書いておかないと、今日のニュースはうるさ方も多そうなので。
では、今日のニュースです。 以前から言われていた「精神分裂病という名前はイメージが悪いのでかえよう」という運動ですが、地道に討議が進んでいたようです。 ちょうど今、「看護婦を看護師という呼び方にかえよう」という言葉狩りが流行っています。でもこんな問題よりよっぽど大切な問題です。看護婦と呼ばれて怒る人はほとんどいませんが、精神分裂病と呼ばれて悲しい思いをしている患者さんや家族がたくさんいるからです。
ちょっと寄り道をして、看護婦問題についてお話ししてみましょう。これはよくある歪んだフェミニズム発端の言葉狩りです。性別で呼び方が違うのは男女差別だということです。どんなに嫌がっても、この世界に男と女がいるのは曲げようもない事実なんですけどね。 それに、言葉だけ替えたってなんにもなりませんよね。結局、語尾につく性差的文字を「人」などに替えるだけで、女性の場合だけ頭に「女」の文字をつけることも増えます。そのほうがよほど差別っぽいと思いませんか。女教師、女医、女流作家などは、女性のみの表現で男性の場合はなにもつけません。 元々言葉なんてものは性意識なんかよりも便宜性を重んじる発展をしています。実際に女性が社会に出るようになったのは近年のことですから、職業上の呼び名が男性偏重であるのは仕方のないことでしょう。社会に出るようになって、賃金や職場環境の改善に務める女性は素晴らしいと思いますが、だからといって職業の呼び名をかえていったらキリがありません。 ましてや、今回は看護婦です。とても悪いイメージがあるようには思えません。むしろ細やかな気遣いや患者さんへのいたわりという点では女性の方が優れているという証拠だとユリは思っていました。もちろん、看護士というのも昔からある仕事で呼び方で、それも素晴らしい人たちだと思っています。それでも、女性の方が優位で、実際に数が多いのが現実です。 スチュワーデスという言葉がフライトアテンダントという呼び名に変わってしまって、悲しい思いをした人も多いと思います。別にウェイトレスとウェイター、アクトレスとアクター、ゴッドとゴッデスがあるんですから、乗務員をひとくくりに呼ぶ必要はないような気がします。それに、女性と男性はどんなにアクロバットな理論を展開したとしても全く同じものではありません。それぞれの長所を重んじていくことこそ、ほんとのフェミニズムなのではないかとユリは思います。
随分、横道が長くなってすみません。本題に入りますね。 現在、精神分裂病にかわる名称としては、三つの候補があるそうです。 1)スキゾフレニア[原語のカタカナ表記] 2)クレペリン・ブロイラー症候群[研究者の名から] 3)統合失調症(統合失調反応)[造語] ユリ的には1が一番マシだと思いましたが、4割の人が3を選んだそうです。それだけではなく「この病名でも個人を否定している感じがする」そうです。それなら栄養失調も差別表現ということになると思うんですが。一度過敏になると、とことこん気になってしまう人間のサガというものでしょうね。
もともとユリは、「精神分裂病」という言葉が好きでした。だから本当はかえてほしくはなかったんですが、実際にその言葉の響きに苦痛を覚えている人が多い以上、しかたないと思っています。ゆるやかに普及につとめていく分には、ユリに否やはありません。 それでも、「精神分裂病」を差別用語として迫害することは、絶対にしないでもらいたいです。昔、キチガイと言う言葉がありました。つんぼ、おし、びっこという言葉がありました。その言葉を聞いて嫌な気分になる人がいるのは事実ですが、実際にそう呼んでいた時代ごと葬り去ってしまおうとする姿勢はもうたくさんなのです。
言葉は世相の鏡です。鏡を歪めたところで変わるのは目に見える部分だけで、本質は変わらないことを知っておくべきだと、ユリは思っています。
|