2006/01/30 (月)
★「猿よさらば」観劇記です
さて、愛用しているEPG番組表で、深夜に「アニメ」とだけしか書かれていないものがあったので「なんだろう?」と思ってためしに録画してみたせいで、気がつくと頭の中で「あまえないでよあなーた〜♪」と流れてきてちょっぴり憔悴気味のユリです。やけに耳に残るなぁと思っていたら、この曲ってキャンディーズっぽいんですよね。「まーぶたにくちづけぇ♪うぅけてるみたいなぁ♪」って感じです。恥ずかしいコーラスは脳内で勝手に入れてください。
三重テレビはちゃんとテレビ愛知とかぶらない深夜アニメの選択をしてくれるのがいいですね。言うほど見ているわけではないんですけど。
そんなオタク系サイトみたいな書き出しですけど、今日は趣向を変えて、演劇の感想文を書いてみたいと思います。
先日、こちらの劇団の演劇を見てきました。劇団自体はまったく知らなかったんですけど、お友達が客演で出演するということで、チケットを買ってみたわけです。で、結構面白かったので、感想を書いてみようかな、と。
まず最初に書いておきますけど、ユリはほとんど演劇を見ません。さらにミュージカルはキライです。そんなユリですので、かなり偏った感想になりますし、比較対象になるのはお友達の所属しているこちらの劇団の作品ぐらいしかないので、その点には留意していただけると助かります。
さて、「猿よさらば」の感想です。あらすじなどは、公式ページを参考にしてください。あまり参考になるほど書かれてはいませんけど。
テーマがユリも好きなモノだったので、最初から興味を持って見ていたわけですけど、思っていた以上に楽しめました。出だしの女性四人の掛け合いは正直あまり面白くはなかったんですけど、登場人物が増えていくと内容に引きずり込まれました。登場人物たちの関係や配置がよかったんだと思います。
ところどころに挿入される小ネタには自虐系やアニメ系が多く、それもユリの好みにあっていました。ナウシカ知らないとどうかなぁと思う点もありましたけど、もう一般常識レベルなのかなぁとも思いましたしね。
演技についても、聞き取りづらいセリフもなく動きにもメリハリがあって、引っかかるところはありませんでした。演劇素人にとっては、この「引っかかるところがない」というのが一番重要なところです。
また、構成についても違和感なく、途中休憩のあたりで時系列は前後しますけど効果的に作用していたと思います。登場人物の関係も少しずつ描かれていくので、混乱することもなかったです。
人間なのか動物なのか分類しがたい人物を中心に据え、その周辺に人権団体と動物権利保護団体や見世物小屋などを配置することによって、それだけでもテーマがくっきりさせられているのは親切だなと思いました。反面、展開にある程度の予測が立ってしまったのも残念ではありました。でもこれは、「宣伝でどこまで見せるか」という点の問題なので、ここで語るべき問題ではないんでしょうけどね。
人権団体のおじさんは仕事がないという現状から割り引いて見られましたけど、動物の権利を主張する女性の終了間際の言動には少しだけ違和感を覚えました。四人のうちの三人については背景や動機が描かれていただけに、アーノルドを救いたいと思わせるだけのキーが微妙にぼやけて感じられました。
ぼやけて感じられたと言えば、心臓移植した男性についてもそう感じました。結局自殺を決意するにしても、もう少し葛藤めいた言動が挟まれていないと拳銃に屈伏したシーンとちぐはぐな気がします。生命の危機に直面した時の素直な反応と、それから悩み抜いた結果、ということなら、他の描写が全体的に親切だった割にはここでは不親切だったかなぁ、と。
緑の部隊や羊のユキちゃんなどの、ネタとストーリーの絡み具合は素直に面白かったです。
スクリーンが結構頻繁に使われていましたけど、サイドの席だとはじっこが読めなかったので、スクリーン脇をすっきりさせておくか画面の余白を多めにとってもらえるとよかったのになぁと思いました。
印象に残っているキャラクターは、見世物小屋の座長と車椅子の男です。座長はステロタイプな意地悪キャラではなく、アーノルドにも好かれる人格者だったことに、見た目のうさんくささとのギャップを感じられました。やっぱり○○○さんはこういう役が似合いますね。ちょっとセリフ噛みすぎ(29日13時公演時)な気もしましたけど。車椅子の男は、ガタイもよくて性格も不遜なのがいいですね。不必要なまでの力強いセリフがステキでした。
残念ながら、女性キャラクターでは特に気に入ったキャラはいませんでした。レッサーパンダの人の声がかわいかったなぁ、ぐらい。ちょっとどこかが切れているタイプのキャラを好むユリとしては、女性キャラたちがおしなべて常識的だったことが原因だと思います。先に挙げた動物権利保護団体のリーダーが、もう少し突き抜けた性格付けだった方がインパクトはあったかもしれません。
無責任に思ったことをつらつらと書いてみました。見ていない人からすれば大半が意味不明の文章なんでしょうけど、こういうことを平気でやるのが「ゆりにゅー」なのです。次は普通にニュースについて書いてみる予定なので、笑って見逃してくださいませ。「明日」と言わないあたりも「ゆりにゅー」らしさということでー。
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