「夢見る頃……5」  星都



観察

 まるで日課となってしまった感のある早百合へのレズ愛撫。いつものように舌を一杯に伸ばしては、早百合の体内を掻き混ぜ、クリトリスをイジめる。
 しかし、真弓の頭に早百合のことは皆無だった。昨日松田から新しい伝言が届いた。
「面接の結果ですが、残念ながら、三人の中には入りませんでした。でも、もう一度会って見たい! という気持ちが強いので、特別に、君も二次面接を受けてあげようと思います……」
 日曜日、同じ時間、同じ場所。
 三人の中には入れなかった。しかし、まだチャンスはある。とりあえず、松田にもっと気に入られなくては。
(どうすれば……)
「アッ、アッ、イイ、イイィーッ」
(松田さんもこんなに感じさせられれば)
 男と女とではモノが違う。男のモノにどう舌を使えばいいのか……。
「ネッ、ネッ! 真弓! 私、イッちゃう、イッちゃうよ……アアッ、イクゥゥゥ……」
 一際激しく揺れ動いた早百合の腰がグッタリしても、真弓の舌は執拗に攻め続ける。
「も、もうダメ! やめてっ、やめてよ! 真弓ィ!」
「ン? あぁ……」
 やっと気づいた真弓が、口の周りに濡れた愛液を拭いながら溜息をひとつ。
「もう、意地悪なんだからぁ」
 早百合の嬉しそうな文句も上の空。真弓は遠い松田のことしか頭に無かった。
「いいモノ見せてあげる」
 何処か乗り切れぬ様子の真弓に気づいたのだろうか、部屋を出た早百合はビデオテープを手に戻ってきた。
「……このビデオ……」
 父の書斎で見つけたと言うビデオテープ、それは修の部屋で見たレズナンパ物だった。
「ごめん! 急用思い出しちゃった」
 早百合の言葉など耳を貸さず、真弓はバス停へ走った。


 二十分ほど揺られ、キョロキョロしながらバスを降りる。
「あそこだ」
 まだ新しい小さなアパート。その二階の東端が修の部屋だ。
 ピンポ〜ン。
「真弓ちゃん……」
 突然の訪問者に、修は気まずそうに頭を掻きながら、
「どうしたの?」
「あのー、頼みたいコトが……」
「頼み?」
「エー……実は」
「あっ! まずい!」
 鉄階段を登ってくる音がすると、修は慌てて真弓を部屋へ引き入れた。
「彼女が来るんだ。ここに隠れてて!」
「え?!」
 押し入れの上の段に押し込められ、靴を持たされた。
(そんなぁ……)
 まだナニもしてないんだから、堂々と帰れるのに……。しかし、部屋に女が居たとなると、疑られるのは当たり前。修としては、隠したくなるのも分かる。
 真弓のことなど忘れたかのように会話を楽しんでいる修。
(修さん、あたしはどうなんのよぉ)
 ほんの少し、会話が途切れた。そして、
「ビデオでも観る?」
「そうね、どんなビデオ?」
「友達に借りた、恋愛物」
「恋愛?」
 真弓の脳裡にビデオをセットする修の後ろ姿が浮かんだ。と、途端、
「キャッ!」
「あ、あれ? なんでこんなモノが……」
(なんなの?)
 真弓は好奇心に耐えかねて襖に指を掛けた。まだ新しいだけのことはある。音もなく数センチの隙間が出来た。
(エッチビデオだ……修さんってドジねぇ)
「ご、ごめん! こんなの観せるつもりじゃなかったのに……」
「うふっ」
 両手で顔を覆っていた彼女が、指の隙間から修を見て笑った。
「わざとらしいんだ」
「え?」
「最初から、そのつもりだったんでしょ?!」
「そ、そんな……」
「いいのっ」
(積極的ィ!)
「絵美ちゃん……」
「ビデオの女ほど巧くないけど、シテあげる」
 絵美は立ち尽くしている修にキスをすると、そのまま跪きベルトを緩めた。
「絵美ちゃん……」
 ズボンのボタンが外された。絵美の予想外の行動に、修は慌ててズボンを押さえた。
「私に、恥をかかせるの……」
 悲しげな声で、絵美が言う。
「女がここまでしてるのに、断られたりしたら、私、恥ずかしくてもう会えない」
「絵美ちゃん……」
「恐がることないのよ。私がシテあげるから」
 ファスナーを下げるとズボンはストンと落ちた。派手な絵付きトランクス。絵美はウエストのゴムをグイッと引き、ソレが引っ掛からないように下げた。
「絵美ちゃん……」
(震えてる)
 一週間前の自分を見てるようだ。つい、ガンバレ! と声を掛けたくなってしまう。
 絵美は悪戯っぽい笑みを浮かべると、半勃ちのモノを握り締め、慣れた手つきでシゴキだした。
「ん?!」
 絵美がちょっと首を傾げた。
「んふっ」
 そして笑った。
「ごめんなさい。こういうの久しぶりだったから……」
 すまなそうに謝ると、勃起した修のカリ首を握り、ゆっくり根元へずらしていった。
(修さん、お被りさんだったんだ)
 先週のあの夜は、そこまで気を付けて見られるほど余裕が無かった。今、改めてじっくり見てみると、露出部分が少ない。
「痛くない?」
「ああ……いつも、剥いて洗ってるから」
 綺麗なピンク色の亀頭が全て露出すると、絵美の手は再びシゴキ始めた。シゴキながらも、念入りに恥垢をチェックしている。
「え、絵美ちゃん!」
 天井に顔を向け、垂らした両手の拳を握り締め、ナニかをグッと堪えている。
「俺、もう……」
「ヤッ!」
 再びシゴキ初めてほんの数十秒。白く熱い迸りが絵美の顔面を襲った。
「ご、ごめんっ!」
 狼狽える修のモノを握って放さない絵美。左目に掛かった精液を指先で掬うと、その指を口に含んで微笑んだ。
「落ち込むことないのよ。一度出した方が、次に長く楽しめるんだから……ネ!」
 ペニスの先から垂れる液体を舐め上げる絵美。
「アアッ!」
 修の口から思わず声が漏れた。
「今度は、口の中に……ちょうだい!」
 真弓の目の前で、修のモノが絵美に呑み込まれていく。一度項垂れ掛けたモノが、再び元気を取り戻していくのが分かる。
(あーやるんだ)
 ペニスを咥えた絵美は決してじっとなどしていない。リズミカルに上下してたかと思うと口を放し、横から、下からと舌を這わせる。時には、袋をそっくり口に頬張ることもする。
「あ、脚が……脚が……」
 見た目にも修の脚はガクガクで立っているのが辛そうだ。
(立ってられないくらい感じてるんだ)
 修が絵美の言われるままに横たわると、絵美はペニスを咥えたまま身体を移動させ、修の顔に跨った。
 修は夢中でショーツを脱がそうとするが、脚が開いているのだから脱げる筈がない。
(ずらせばいいのに、修さん、焦ってる)
 真弓が可哀相に思えるくらい、修は焦っている。
「脱げない……」
 泣き出しそうな修の声。
「ごめんね……気が付かなくて」
 絵美が脚を揃え、巧く脱がせた。
「ンッ、ンウッ」
 絵美の口から声が漏れ出してくる。
(気持ち良さそう……)
 とても我慢できない。真弓も指を蠢かせ始めた。
(あー、修さん! あたしのも、舐めて!)
 ピチッ。
 ピチャピチャ……。
(っ!)
 真弓はハッとして指の動きを止めた。押し入れの外まで聞こえそうな音がしている。
(まさか、気づかれないよね)
 しかし、そんな心配は無用。修と絵美の奏でる音の方が遙かに大きい。安心して続きを始めようとした時。
「わ、私、修君とイキたい!」
 絵美がいきなり起きあがり、修の股間に跨った。
「絵美ちゃん……」
 修のモノに手を添え、修の唾と自らの愛液が垂れる部分へ素早く埋めてしまった。
「後は、修君がお願い!」
 そう言って抱き合い、修を上にした。
「絵美ちゃん!」
「修君!」
「絵美ちゃん!」
「修君!」
(修さん、おめでとう。あたしとの練習ではダメだったけど、ちゃんと出来たのね……)
 多分に絵美のおかげであることは真弓も承知だが、とにかく、出来たことを悦んでやりたかった。
「絵美ちゃん……俺、俺っ」
「修君……まだ、まだイッちゃだめよ!」
「あ、アア、アッ!」
 修の動きがピタッと止まった。
「ご、ごめん……イッちゃった……」
「うぅ〜ん……私こそ、ごめんね……初めてじゃなくって……」
 絵美の表情は一見満足そうに見える。しかし、その腰の辺りに、ちょっと不満を感じて見えるのは真弓だけだろうか……。
 二人は暫く抱き合ってた後、出掛けてしまった。フェラチオを教えて貰おうと思ってきた真弓。まさか、目の前で観察できるとは思ってもみなかった。修の居ない部屋に一人で居てもしょうがない。
「ヤリ方は大体分かったし……帰ろう」


練習

 バス停で待つこと十五分。とっくに来てもいい筈なのに。
「遅いなぁ」
「バスは当分来ないよ。乗ってくかい?」
「え?」
 バスの代わりに止まったのは『峰岸』と書かれた個人タクシーだった。
「お金無いですから」
「おねえちゃんなら安くしとくから……バスは事故ってたから来ないよ」
「事故……」
 真弓は仕方なくタクシーに乗り込んだ。
「どこまで?」
「山城公園の近くなんですけど…」
 タクシーに乗るなんて初めて。真弓は緊張してることを知られないよう、精一杯落ち着いた口調で行き先を告げた。
 タクシーが走り出して直ぐ、渋滞で遅くなったバスが停留所を過ぎていった。
(道が違う……近道かな)
 不安な面持ちで左右に目を配る真弓。言うべきか任せるべきか、結論が出ないまま、タクシーはどんどん進んでいく。
「着きましたよ」
「え?」
 ソコは山白公園だった。
「あのう、ここじゃなくて、山城公園なんですけど」
「山白公園ですよ」
「いえ、駅の近くの山城公園です」
「あぁ、お城の城。困るなぁちゃんと言ってくれなきゃ」
「すみません……」
(なんで謝らなきゃなんないの)
 真弓は、もうタクシーなんか乗るもんか! と腹が立ってきた。
「はい、ここでいいんですね」
 山白公園から十分。やっと目的地へ。
「えぇ、ここです。おいくらですか?」
 タクシーになど乗ったことのない真弓は、料金が表示されるメーターのことを知らなかった。もっとも、そのメーターに料金表示はされてないのだが……。
「一万五千円です」
「エッ! そ、そんなに?」
「だいぶ遠回りしたからね。お客さんのせいで」
「そんなお金、無いです」
「無い! あんた、ただ乗りする気?」
「家は直ぐそこですから、今、取ってきます」
「イヤッ! 信用できねェ」
「じゃあ、一緒に来て下さい」
「だめだ!」
「それじゃ、どうすれば……」
 峰岸は車を走らせ、人気のない駐車場の隅へ止めた。そして、ニヤッと笑いシートを倒した。
「ナニをすればいいか、分かるだろ」
 ベルトを外し、ズボンとパンツを下げてニヤニヤしている。
「そんな、あたし……そんなこと……」
「警察に突き出されたいのか? イヤだろ?」
「……」
 真弓は今にも泣き出しそうな顔で頷いた。
「やってみりゃどうってことないって。彼のをやる時の練習だと思って、やってみな」
「練習……!」
 修のアパートで見たことを試してみるいい機会かも知れない。一度試しておいた方が、松田との時に巧くできるだろう。
(練習! 練習!)
 心でそう繰り返し、後部座席から手を伸ばした。
「ンッ!」
 峰岸はハッとして目を見開いた。月に数度、女のコに声を掛け、同じコトをしている。ただ、殆どのコは泣きじゃくるだけで見ようともしない。峰岸は自分のモノを見て驚く少女の顔、そして、泣きじゃくる少女を見るのが好きなのだ。最近では、そんな少女を見ながら一人で扱き、少女に飛ばすこともある。真弓も、当然泣きじゃくるだけだろうと思っていた。ところが、小さな手が、震える手が、握ってきた。峰岸には嬉しい誤算だ。
「そうそう、やればできるじゃん!」
(練習! 練習!)
 右手で握ったモノがムクムク太さを増してくる。そして、長く、硬く。
「手だけじゃダメだぞ」
(練習! 練習!)
 真弓は身を乗り出し、口に含んだ。
「おっ、おねえちゃん! 巧いじゃねぇか、初めてじゃねぇな」
(練習! 練習!)
「お、おい! 顔に跨りな」
〃練習〃と心で繰り返しながら、言われるままに跨っていった。今の真弓には恥じらいも何も無かった。唇と舌を、何処にどう使えば感じるのか、その研究に夢中になっていた。
(ボーだけじゃなくって、フクロもしゃぶらないと……)
「オッ、オーッ、気持ちいいぜ! おねえちゃん」
(この辺が感じるんだ)
 真弓のパンティ。水色と白の横縞のお気に入りのパンティ。その小さなパンティのお股の部分を、峰岸がまさぐっている。赤と黒の巻きスカートは、いつの間にか剥がされていた。峰岸は、真弓のソコが丸見えになるまでパンティをずらした。そして、嬉しそうにじっと見つめている。
 時々、子供達がインラインスケートの練習に来るこの駐車場。スケートの滑る音が聞こえた気がして、真弓は舌を伸ばし、亀頭の先端をチロチロ舐めながら外を伺ってみた。
(良かった……誰も居ない)
 安堵の表情で唇を一舐めすると、握り締めたペニスを再び呑み込んでいく。
「綺麗なマンコが涎垂らしてるぜ。見かけによらず、相当好きモンだな」
「ンッ!」
 いきなり舌を射し込まれ、真弓はビクッと仰け反った。
(カンジルゥ! もっと、もっと舐めてっ!)
 峰岸の顔面に跨った時から、真弓は心の何処かで、ソコに舌が這ってくることを待ち望んでいた。望みが叶えられ、真弓の舌の動きは激しさを増した。そうすることで、自分の股間を這い回る舌も、動きが激しくなると思っていた。
(もっと激しく! もっと感じさせて!)
 しかし、真弓の願いは呆気なく終わりを告げた。ほんの数回舌を上下させただけで、峰岸の舌の動きは止まってしまった。そして、
「出る、出る! 出るぞっ!」
 逃げられぬよう頭を押さえつけ、峰岸は激しく腰を突き上げた。ドクッドクッと、峰岸の欲望が迸る。
「ン〜ン!」
 突然のことに、咥えたまま動けない真弓。放すこともできず、飲み込むこともできない。青ざめていく真弓を無視し、峰岸は自分のモノに手を添え、最後の一滴まで絞り出そうとシゴいている。
 口の中で急激に柔らかく、そして小さく萎えていく峰岸のモノ。真弓は恐る恐るソレを引き抜いた。唇をつぼめ、口の中一杯に溜まった液体が垂れぬように注意して。


 家に帰った真弓は真っ先にうがいをした。吐き出したとはいえ、少しは飲まさってしまった。でも、飲もうと思えば飲めないことはないと思っている。
「明日は飲んであげなきゃ!」
 吐き出してしまうのと、飲んでやるのとでは、男が受ける印象がまるで違うであろうことを、真弓はなんとなく感じ取っていた。


実践

 西原球場まで歩いて十五分。真弓は速めに球場へ着きトイレに入った。ソコでスカートのウエスト部分を折るのだ。
(もう一折り!)
 先週より一つ多く三重に折ってみた。
(完璧に見えちゃうな……)
 お金の為、夢を叶える為、少しぐらいの恥ずかしさは我慢。真弓はデイバッグを背に、そして借りた傘を手に、冷たい風に股を冷やしながら電話ボックスへ向かった。
 松田は約束通りにやって来た。
「お願いします」
 頭をペコンと下げ、車に乗り込む。背負っていたデイバッグを両足の甲に置くと、
「シート下げていいですか?」
 リュックが邪魔そうな素振りを見せ、了解を得てからシートを下げた。そして、足元に余裕ができると、何気ない仕草で足を交差した。自然と、閉じていた膝が緩み、太腿に僅かの隙間ができる。
(気にしてる)
 一連の流れは予定の行動だ。シートを下げることで、短いスカートの奥まで視線が届くはず。汚れを知らぬ純白のパンティは、男の本能を暴発させるに違いない。
 掛けた罠に獲物が食い付くのを待つ。そんな猟師にも似た心境で、真弓は身体を上気させていた。
「今日は色々あるから、ホテルへ行こう」
「ホテル?」
「イヤなら、やめるけど」
「い、いえ! 何処でもいいです」
(食い付き過ぎたかな……)
 パンツの中を見られることは予想していたが、その先まで行ってしまうかも。真弓の身体が小刻みに震えた。
 初めて入ったラブホテル。一種独特の緊張がそこにある。ナニかしないで帰るのは相手に悪い気がしてしまう。
 松田が煎れてくれたコーヒーを啜る手が震える。落ち着かなくては、と思っても無理だ。
「先生が、ビデオで撮ってきてくれって言うんだよ」
「ビデオ?」
「いくら俺が〃いいコだ〃って言っても、やっぱり好みがあるからね。ビデオに撮影してきてくれって言ってるんだ」
 松田はバックから小型のデジタルビデオカメラを取り出すと、「ちょっと暗いなぁ」と部屋の中を歩き出した。
 窓を開け、日が射し込む場所へソファーをずらし、
「そこに座って」
「……」
 まだOKもしてないのに、すっかりその気でいる。
「まず、名前と年齢。それと……」
「あのォ、顔、映すんですか?」
「顔映さなきゃ、どんなコかわかんないじゃん」
「でもォ……」
「先生にしか見せないから大丈夫。それとも、やめる?」
「……他の人に見せないのなら、いいです」
「名前と年齢。それと生年月日とスリーサイズ」
「佐々木真弓。平成XX年六月九日生まれの十三歳です。78、56、82です」
「片足をソファーに掛けて……手で隠さない。うん、少女には純白のパンティが良く似合うね……もう片方も上げて」
 言われるままソファーに両足を掛ける。短いスカートは完全に腰にたぐまっている。まるで、松田に〃見て下さい!〃と言ってるようだ。
「そのまま一言いって、アソコを見せて」
「エッ……」
 少しの間ができた。真弓はもう一度ナニか言ってくれることを期待していたが、松田はそれ以上何も言う気はないようだ。じっと、真弓にビデオを向けている。
「あたしの……ンンッ!」
 真弓は仕方なく乾ききった口を開いた。声のかすれは想像以上だ。咳払いをし、唾を飲み込み、初めから言い直した。
「あたしの……お、おまん……こ……見て下さい」
 幼い頃ならともかく、ここ数年は声を出して言ったことの無かったその単語を口にしてしまった。真弓は真っ赤に染まった顔を右手で隠し、もっと恥ずかしいであろうコトをするために、パンティに指を掛けた。
と、
「アッ、横からずらして」
「え? 横?」
「そう。じゃ、もう一度初めから」
「……あたしの、おまん……こ……」
 恥ずかしい。どうしても三文字で切ってしまう。真弓にはそれが精一杯だ。
「……見て下さい……」
 左手の指を右足の付け根に食い込んだパンティのゴムに引っかける。そのままゆっくりと左へずらして見せた。
「そうそう、右手が空いてるね……開いて見せて」
「……」
 男の目の前で、ソコを開いて見せるなんて。しかも、自分の指で!
(昔は平気で見せてたのに……もう、子供じゃないんだ)
 パンティは左太腿までずれ、アソコはすっかり露出している。そのスリットの中央を右手親指と人差し指で開いて見せた。
「手が邪魔だな……」
 松田は傍に来ると、真弓の右手をとり、
「お尻の方から回して開いて」
 そう言ってまた数歩下がった。
「こう……ですか……?」
 身体を少し右へ捩り、尻の方から回した右手の親指と中指をスリットにめり込ませる。大きく息をし、ゆっくりと開いていった。
「今まで見た中で、一番スッキリしてて綺麗だよ」
 暫く撮り続けた後、満足げに言った。
「もう、みんな撮ったんですか?」
「君が最後。アソコの色艶は最高だから、ポイント高いよ」
「本当ですか?!」
「もういいよ」
「エッ? あっ」
 ずっと開いたままだった。真弓は慌ててパンティを戻し、足を下ろした。
「次はベッドで撮ろうか」
「ベッド?」
 これで終わりかと思っていたのに、まだ先があったなんて。しかもベッドでとは……。
(やっぱ、されるのかな……)
 脚が震える。
(されるくらい、覚悟の上じゃない)
 覚悟はして来たが、やっぱり怖い!
「ベッドの上で脚を開いて、膝を立てて……」
 ここまで来たら、今更止められない。真弓は言われるまま脚を開き、膝を立てた。
「パンツに手を入れて、そうそう……アソコに手を充てて、そのままオナニーして……」
「エッ?!」
「オナニー……いつものように」
「そんなこと! してません……」
 見せるだけでも死ぬほど恥ずかしいのに。その上、オナニーだなんて!
(この場でレイプされる方がましだわ)
 真弓はつい、嘘をついてしまった。
「したことないのかァ……」
 松田は残念そうにビデオを下ろした。二人を静寂が取り囲んだ。
「……」
 今までと違う。ナニかが足りない。
(ビデオの音?)
 有線を止めてから常にジィーッというビデオカメラの音がしていた。その音が無い。真弓は何故か不安に思えてくる自分を、そして、その音を懐かしむ自分を感じた。
「じゃ、してみない?」
「え?」
「初めての、オナニー」
「そんな……」
 松田は再びビデオカメラを真弓に向けた。
「君の場合さァ、俺が特別に頼んでこの面接まで取り付けてあげたんだけど……先生に気に入って貰うには、もっとインパクトの強いコトやらないと……無理だよ」
「他のコ達は、シタんですか?」
「一人だけ拒否したけど……あのコは、もう終わりだね。先生に悦んで貰えるなら、ナンでもします! そのくらいの熱意を見せてくれなきゃ」
「オ……オナニーすれば……あたしを選んで貰えますか?」
「他のコもシテるから何とも言えないけど、君の場合、初めてだから、ポイント高いよ」
「……」
 松田がビデオカメラのスイッチを入れた。クィーックゥン、とテープがローディングされる音に続き、ジィーッと撮影の音が。
(見せたからって決まる訳じゃないんだ。でも、見せなきゃ終わり……どうせいつもやってるコトじゃない)
 真弓は大きく息を吸い込み、ふーっと吐き出しながら仰向けに寝た。ジィーッという音が、ビデオカメラのレンズの視線が身体を舐めていく。
「先生の為に……初めて、オナニーします」
 レンズに向かって言うと、目を閉じ、紺色のセーターの上から胸を揉み始めた。
(みんなどんなふうにシタんだろ。脱いだ方がイイのかな……でも)
松田の目が、レンズの視線が気になる。
(見られてる! 松田さん一人じゃ無いんだ。レンズを通して、先生も……ひょっとすると、もっとたくさんの人が見るかも……)
 右手が胸を離れ、スカートを捲った。ほんの少し股を開くと、パンティ越しにスリットを撫でる。
(ヤダッ、濡れてる……)
 愛液の染みを見られるのは恥ずかしい。真弓は直ぐにパンティを脱ぎ捨てた。
 そして、
「っ!」
 息を飲み込み、なんとか声を押し殺した。触れた途端、全身に痺れが走った。
(感じちゃうよぉ……)
 恐る恐る手を充て、動かしてみる。
(ビンビン感じるぅ!)
 目を閉じても、ジィーッという音が撮られてることを教えてしまう。
(見られてる! 見られてる!)
 レンズの視線が恥ずかしいが故に、いつもより大胆になってしまう真弓。
(恥ずかしい! 恥ずかしいよぉ!)
 M字型に開いた部分から艶っぽい音。そのイヤラシイ音が、益々真弓を燃え上がらせる。
 ピチャピチャピチャ……。
 クチュクチュククチャ……。
「ハァッ、ハァアッ、ンーッン」
 声を殺すことも忘れ、オナニーにのめり込んでしまう真弓。右手の指でクリトリスをくじり、左手の指は肉穴へ!
「いつも、そうしてるの?」
「……」
 つい頷いてしまった。しかし、初めてじゃないことを暴露してしまったことも、今の真弓には分からない。夢中で快感を味わっている。
「エッ!」
 不意に手をどけられ、真弓はハッと目を開けた。
「ヤッ! 恥ずかしいよぉ……」
 いつの間にか三脚がセットされていた。両手が自由になった松田は、真弓の太腿を抱きかかえ舐めてきた。
「そんなトコ! 汚いよぉ……やめてェ!」
 既に経験してはいるが、やはり恥ずかしい。ただ、本当にやめて欲しいとは思っていない。両手で顔を隠していても、しっかりと快感を堪能している。
(気持ちイイ……昨日の運ちゃんより……!)
 真弓はふと思いついたように上体を捩ると、松田の脚を引っ張った。
「松田さんのも……シテあげる」
 口を大きく開け、勃起したモノを呑み込む。だが、
(やりずらい)
 松田を悦ばせようと、直前まで考えていたスペシャル舌技が出来ない。
「松田さぁん……上になりたい……」
 松田は素直に上にしてくれた。峰岸との練習の成果を十二分に発揮する真弓。
「オオッ!」
 松田が舌を動かすこともできなくなるほどの快感を与えている。
(これがあたしの考えたベロテク!)
 玉を口に含み、目を開けると肛門が見える。玉を出し、そのまま舌を肛門に這わせる。
(お尻の穴も、女のコのアソコの穴も、同じ)
 真弓は散々舌を使った早百合の穴を思い浮かべ、松田の肛門に舌先を埋め込んだ。
「オオォォォ……ッ! スゴイ! スゴイよ真弓ちゃん!」
「あたし、松田さんの為に、松田さんに悦んで貰う為に、一生懸命考えたんです」
「お、俺も、お返しだっ」
「キャッ!」
 松田も舌を肛門に入れてきた。二人とも指で互いのモノを刺激しながら舌を肛門に挿入。
「真弓ちゃん! 俺、イクッッ……ゾ!」
 真弓は舌を肛門から抜き、亀頭を咥えた。舌先でカリ首を刺激し、胴体部分を激しくシゴく。
「うっぷ!」
 熱いモノが喉の奥に迸った。その量は、真弓の小さな口内では賄いきれない。唇の隙間からダラダラと溢れ出してしまう。
(飲まなきゃ! 飲むのよ!)
 ゴクッ!
 飲み込む音がはっきりと聞こえた。
 ゴクッ、ゴクン!
 味を感じる余裕のないまま全て飲み干してみせた。そして、小さく萎えてしまったモノを舌先で弄び、無意識に楽しんでいる。
「何処で覚えたんだ?」
 一週間前は口に咥えることしかできなかった真弓を、松田は怖いものでも見るような顔で尋ねた。



   続く