「つくしんぼ」  遠州力


――余寒――
もうすぐ三月というのに冬将軍の勢力は、一向に衰える様子がなく、この雨もいつ雪に変わっても不思議ではないくらいだ。今日で学年末の試験を終えた僕の気持ちは、その開放感からか珍しく弾んでいた。前方の視野の大半を傘にさえぎられているため、視線を落として帰路を急ぐ。足元に注意を集中させていたためタクシーの接近に気づくのが遅れた。
『なんだぁあのタクシーは、あぶねぇな!!』
体にかすったのではないかと思う程、すぐそばを猛スピードのタクシーが通り過ぎた。
 幹線道路から1ブロック住宅地に入った路地。普段は殆ど人通りがないが、時々タクシーなどが抜け道として使うようで、僕も数回、危ない目にあったことのある路地だ。
 それにしても冷えてきた。傘をもつ手がかじかんで少し痛いぐらいだ。気を取り直して歩を進めようとしたとき、前方の溝に女の子がはまっているのを発見した。
『可哀想に、あのタクシーを避けようとしたのだろう』
 慌ててかけ寄りながら辺りに目をやると、傘や持っていた荷物が散乱している。この先の習字塾に行くところだったのだろう。硯石が専用の入れ物から飛び出し割れてしまっている。
 僕は散乱した荷物を集めながら
「だいじょうぶかい?」
 と声をかけ、女の子に目をやる。
 女の子はよほど怖かったのだろう。まだ片足が溝にはまったまま、ブルブルと小刻みに震えシクシクと泣いている。しかも膝を溝の縁にぶつけたのだろう出血している。
「ひどい車だね。どう痛い?歩けそう?」
 心がけて優しく話しかけるが、女の子は黙ってうつむいたまま泣いている。
 こんな時に一体どうしたら良いものか、ただ泣き続ける女の子を見て、早く何とかしなければと、ただ気が急くばかりで考えがまとまらず、途方に暮れてしまう。だがこうしているうちにも、雨は降り続け女の子の体温を奪っていく。ここであれこれと悠長に考えているヒマはない。とにかく、この冷たい雨から一刻も早く逃れないと、事態は悪化する一方だ。
「すぐそこが僕のアパートだからね。とりあえずウチにおいで、早く手当てしないとね。このままじゃ風邪ひくよ」
 事態打開策を打ち明けるが、女の子は固まったまま、シクシクと泣き続けている。ここで女の子の同意を待っている余裕はない。
「ちゃんとつかまってなよ」ひょいと女の子を抱き上げ、アパートに向かい走りだす。
「キャツ」
 抱くやいなや走り出したので、女の子はバランスを崩し落っこちそうになる。
「気をつけて…おー寒いよ、おー寒いよ。」
 ちょっとおどけながら、体を揺すり女の子を抱きなおす。
 さすがに落ちては大変と女の子が、僕の首に手を廻しギュット抱きつく。
『お姫様ダッコって、一度してみたかったんだ』
 こんな時にしかも相手は小学生なのに、柔らかい感触が少しうれしい。
『こんなに軽いのか、もう少し苦労すると思ったのに』
 腕力に自信がない僕が、悠々と女の子を抱きかかえ走っている。いかにこの子が、小さいかということである。
部屋に戻ると部屋の中は、ひんやりとしていてまるで冷蔵庫のようだった。すぐに灯りを点け、エアコンの温度設定を最高にする。灯りが点きエアコンが稼動し始めると、何か後から追われているように焦っていた僕も、やっとほっと息をつくが、やはり動転していたのだろう、いまだ女の子を、抱いたままだった事に気付きあわてて女の子を降ろす。
 この間、時間にしてわずか五分程度であったはずだが、おそろしく長い時間に感じた。 ここで初めて、女の子をしっかりと見ると、今時の都会の子供らしく洗練された身なりをしている。袖とフードがグレーで、胴回り部分がネイビーブルーのジャンパーに、オレンジ色のトレーナーとデニムのスカート、白のハイソックスには血が滲んでる。さすがに全身びしょ濡れで、髪の毛などは洗髪した後のようである。少しほっとしているようで、もう泣いていないが、よっぽど冷えたのだろう、歯や唇をガチガチと震わせている。
「えーとねぇ、今から薬と何か暖かい物とかを買ってくるから、その間に体を拭いて、これに着替えておきな、風邪ひくよ」
 僕は、タンスから厚手で、一番暖かそうなボタンダウンのシャツとタオルを出し、女の子に放り投げる。 そして再び、さっきの道を引き返していく。


 路地から長細くうなぎの寝床のように、伸長した学生向けアパートの一階の一番奥の部屋。周りは似たようなアパートが、密集していて日当たりは不良でカーテンがいらぬほど窓からの視界は、壁や垣根に遮られている。
 部屋に戻るとフル回転のエアコンのおかげで、随分と暖かくなっている。女の子は、言われたとおり僕のシャツに着替えていたが、遠慮しているのだろう部屋の隅に立ったまま居る。女の子は素肌にダブダブの僕のシャツだけを着ていて、その袖を幾重にも折り返している。シャツの裾からすらりと伸びた足が、どこか頼りなさげで、妙に色っぽい。躾が良いのだろう。自分の着ていた服やスカートが、しっかりたたんでおいてある。その服を以前洋服屋で、貰ったビニール袋に入れながら、心がけて明るく
「寒くない?この服ねぇこの袋に入れとくよ。」
 優しく微笑みながら話しかけるが、女の子はだまったまま頷くだけだ。
「ちょっとこっちにきて、消毒して、ガーゼを張ってあげるから」
 バスルームの方に歩きながら手招きすると、女の子はすうっと僕について来て、素直にバスルームに入って来る。この時僕には、下心も何もなかったのだが、見知らぬ男にこんなに無防備で良いのかと、かえってこちらが心配になってしまう。しかし女の子のそのマナザシには不純物が一切ない。猜疑も恐怖もなく、安心して僕に全てをまかせ、全てを依存しているようである。
『まぁ、そんなもんか』と自分を納得させ
「どう、痛いかい?」
 と、とにかく話しかけるが、相変わらず女の子はノーリアクションである。
「さぁそこに腰掛けて」
 バスタブに腰掛けさせて、僕はその前に野球の捕手のような格好で腰をおろす。左足の小さい小さい膝小僧の少し下に、10円玉程度の大きさのやや深めの擦り傷がある。
「あー、だいじょぶ、だいじょぶ。ちょっと擦りむいただけだよ」
 シャワーのお湯の温度を少しぬるめに調整して
「しみるよ、痛いけど我慢してね」
 お湯で傷口の汚れを洗い流す。よほどお湯がしみるのだろう、女の子は顔をゆがめて足をばたつかせている。
「我慢だよ、我慢、我慢」
 普通にしていてもシャワーは、あたりにしぶきを飛散させるのだが、女の子が足をばたつかせるため、僕も女の子も必要以上に、しぶきを受けてしまう。しばらくの間、ばたつく足と飛散するしぶきに悪戦苦闘し、やっとの思いで傷口から不純物を洗い流し、次に消毒液を吹きかける事にする。
「消毒するからね、ごめんね。」
 シュッツ、シュッツと傷口に消毒液を吹きかける。より過敏な状態になっている傷口は、さっきのお湯より、よほどしみたのだろう。
「イッツゥゥゥ」
 こらえ切れずに女の子は悲鳴をもらし、唇をかみしめ、眉間にしわをよせる。僕は傷口に息を吹きかけてやろうと女の子の膝に顔を寄せると、さっきよりお行儀が悪くなっていた女の子の膝が大きく開かれていて、可愛らしいショーツが目に飛び込んで来た。わずか三十cmと距離を置かずに、女の子の最も肝要な部分の風景が広がっている。先程来のシャワーで水気を帯びていたショーツは、ちょうど濡れたTシャツのように半透明に変化していて、シンプルな形状の陰部にピッタリと密着して、本来覆い隠すべき幼い女性器をおぼろげに公開してしまっている。幼くともその誘っているような風情は女そのものであり、この強烈な光景に一瞬息をのんだ。
『なんて扇情的なのだろう』
 僕はロリコンではないという、自覚も自信もあったが、何度か消毒をしては、息を吹きかけるうちに何故こんなに興奮するのかと思うほど、ドキドキしていた。しかしこのままでは、危険な方向に進みかねないと、まだ自己抑制が効いた僕は、もう一度だけ股間をのぞき込み その光景を脳裏に焼き付けて、大いに未練を残しながら傷口にガーゼを当て、テープを張ってあげ
「もう終わりだよ」
 と自分に言い聞かせるように、終了を宣言した。
「ふうー、これでやっと安心できるよ。よく我慢できたね。もう大丈夫だよ」
「あ、ありがとうございました。」
 蚊の泣くような声だけど、初めて女の子の声を聞いた。
「初めてしゃべってくれたね。何だしゃべれるじゃん」
 やっと安心したのだろう、女の子は少しテレながら笑っている。


「こっちにおいでコタツつけたから」
 歩いてくる女の子は、ダブダブの僕のシャツがミニのワンピースのようにも見え、幼さと不釣合いに妙にセクシーだ。
「これ飲みな」
 反対側に座った女の子に、さっき買ってきたホットココアの缶を渡し、女の子に名前や年齢、連絡先に事故の様子などいろいろと聞く。
名前は中川はるで小学4年生。やはり習字塾に通う途中に、タクシーを避けようとして溝にはまったようである。両親共働きの一人っ子なので、今現在、家には誰もいない。母親は看護師をしていて、5時過ぎにならないと帰ってこないとの事である。とりあえず留守番電話に事情を説明して、早く迎えに来るよう告げておく。
「お母さんの迎えが来るまで、もう少しかかりそうだね。それまでトランプでもしていよう」
 それからコタツを挟んで向かい合い『神経衰弱』を始めた。そこは子供である。徐々に緊張とか遠慮とかがとけていき、トランプに熱中しだした。
 僕もゲームにわざと負けてやっては
「わぁ〜すごいねぇ、かなわないよ」
 とおだてると
「キャハハハ」
 案の定、はるちゃんのテンションは上がっていく。
 はるちゃんは、よく笑う可愛らしい女の子だ。ショートカットに長いまつげと、黒目がちのつぶらな瞳。その瞳を見つめていると吸い込まれてしまいそうな程にどこまでも清らかである。プックリと柔らそうな頬とつややかな唇。全体に非のうちどころのない整った顔立ちは、どの学校にいてもトップクラスに入る美少女といえるだろう。
 学校では、多くの男の子がはるちゃんのことに好意を寄せていてもおかしくないだろうし、中高生と成長していくにつれて随分と美人になっていくだろうと容易に予想できる。
 すっかりトランプに熱中しているはるちゃんは、僕の前のカードを取る時に、前かがみに体を乗り出す。僕のダブダブのシャツを着ているために、胸元から上半身が丸見えになり、ショーツや太ももまで見えてしまっている。
 僕は再びあの無邪気な女の子を、みだらな視線で見てしまっている。いけないと思い二度三度と目を背けたが欲望には勝てず、すぐに無防備な胸元に視線が釘付けになっていく。磨き込まれた象牙のように滑らかで瑞々しい肌は、透き通るように白く、ほのかに水着の跡が残っている。皮下脂肪が全くないその体つきは、まだ女性特有の丸みや、くびれがほとんどない。
『美しい……』
 生まれて初めての感じだった。甘ずっぱいような、せつないような不思議な感覚を味わった。もちろん僕だって例えば、眺望の良い場所から風景を展望して『美しい』と感じた事はあるし、街や学校でスタイルの良い女性を見かければ、やはり『美しい』とも思う。ここで感じた『美しい』はうまく言えないが、これらの美しいとは、若干ニュアンスが違うようだ。それはむしろ、くもりがないとか、清らかとかいう感じの方が適切なのかも知れない。とにかく、この時から僕を包んでいた大気が色を変え、匂いを変え、すべてを変えた。


――春雷――
『ピンポンピンポン、ピンポンピンポン』
 けたたましいベルの音が、僕を夢心地から引きずり出した。
 玄関の鍵が開いていたので、そのベルの主がドタドタと上がりこんで来た。
「お母さん…」
 はるちゃんがビックリして振り返る。
「何て格好してるの?!知らない人に付いて行っちゃだめだって、いつも言ってるでしょう!!」
 母親はあっけに取られている僕を睨みつけながら、はるちゃんの手を掴み
「早く来なさい!!もうグズなんだから、帰るわよ!!」
 はるちゃんは、引きずられるように連れていかれる。
 僕は慌ててはるちゃんの服が、入ってるビニール袋を手にとり
「待って下さい、これ娘さんのお洋服です」
 玄関まで行き母親にビニール袋を手渡す。
"パッチン!!!"
 いきなり平手が飛んできた。
「これで済んだと思ったら大間違いよ!しかるべき処置を、取らせていただきますからね!!」
 僕は母親がはるちゃんを車に乗せ、不機嫌そうに車を急発進させ走り去っていく様子を、玄関で呆然と立ちつくしたまま見つめていた。そして最初に腹が立ち、次に動揺して恐怖した。自分の中の奥深いところで、目覚め始めた物は、僕を破滅させかねない怪物であると思い知らされた。
 僕は日本人なら誰でも知っていると言っても過言ではない、超一流の○○大学の一年生。地元では小中高と目立つほうではなかったが、何でもそこそこ器用にこなして、別にいじめられた事もないし、女の子にもちょっとはモテたし、友達だって多いほうだ。何よりも勉強は、誰にも負けないという自負が自分の支えになっていた。しかしこの都会に来て一年が経とうとしているが、良い事が全くない。上には上がいるもので、日本中のエリートが集まってくる○○大学では、自分など十人並みのその他大勢である。僕のちっぽけなプライドは、打ち砕かれ、劣等感は塊となって僕を卑屈にさせる。そんな失意の日々を過ごしている僕の前に、はるちゃんが出現した。もしも今の生活が、『喜び』や『自信』に満ちていれば、いくらはるちゃんがアイドル級の美少女でも理性の鎧が、この禁断の欲望を跳ね返しただろう。しかし今の僕の心には、悪魔が付け入るスキがありすぎる。はるちゃん、その天使の悪魔的魅力は『希望の光』か『破滅の前兆』なのだろうか。頭の中から消去しようとすればするほど、僕の中で、その存在が巨大化していく。


 あくる日は土曜日で、昨日とは打って変わって晴朗な日だった。僕は昼過ぎに目を覚まし、朝飯とも昼飯とも言えぬような食事を済ませたところだった。
『ピンポンピンポン、ピンポンピンポン』
 僕が応対にでると、そこにはまたはるちゃんの母親が立っていた。僕は凍りついて、体から血の気がひいて行くのを実感した。恐る恐る上目遣いに母親に目をやると、どうも様子が違うようで、昨日のあの猛烈な勢いがなく何かバツの悪そうな顔をしている。
「…あのう、…昨日はどうもはるが、いろいろお世話になりまして……私の方も失礼な事を……」
 随分と恐縮している。
 どういう事かと言うと、昨日僕がはるちゃんを抱き上げてアパートまで走っているのを、知り合いの老婆が目撃して、母親の職場に直接通報した。後は一直線に僕の所に、突撃して来たという事らしい。その誤解は、昨晩はるちゃんが解いてくれた。
 僕はほっとして母親の方を見ると、その後ろに恥ずかしそうにしている、はるちゃんが見え隠れしている。僕と目が合うと小さく笑って、手を振ってくれている。
 僕も今後の事を考え、できる限り好青年を装い、昨日の母親の無礼な態度は、水に流すことにした。
「ははははは、お気になさらないで下さい。当たり前の事をしただけですから」
 出来る限りの笑顔でさわやかに応えた。
 僕が寛大な態度を取ったため母親の方も調子に乗ってペチャクチャしゃべり出した。早く手に持っている菓子折りを渡して、帰れば良いのに…。二十数年後にはるちゃんも、こんな女性になってしまうのかと思うと、閉口してしまう。
それにしても無神経に玄関のドアを開けはなして話を続けるため、部屋の暖気がドンドン逃げ、寒くて仕方ない。卑怯だがこの時、僕は策略をこうじた。僕は君のせいで風邪をひいてしまったんだよと暗に指摘するかのように、はるちゃんに向かって何度も咳き込んで見せた。はるちゃんは、そんな僕の様子を見たのかどうなのか、もういいから帰るようにと母親の服を引っ張っている。それでやっと母親は帰る決意をしたようで、ペコペコと何度も頭を下げ、はるちゃんにも礼を言うように促す。
「ありがとうございました」
 子供らしい良いあいさつだった。
「はいよ、これからは車に気をつけてね。バイバイ」
 それにしてもはるちゃんは、可憐で実にかわいらしい。


――春めく――
 夕方になり僕はぼんやりとTVを眺めながら、はるちゃんの事を考えていた。あらゆる想念が連鎖して、結局は、はるちゃんへの想いに行き着いてしまう。昨日からはるちゃんは、僕の頭の中を侵略し占有してしまっている、
(ゴソゴソ、ゴソゴソ)
 外で何やら物音が聞こえる。はじめは別に気にもかけてなかったが、2度3度と聞こえてくるため、ちょっと様子を見てみようと玄関のドアを少し開け、顔だけを出して外を見ると、そこには、はるちゃんがいた。僕は飛び上がりたくなるほど歓喜し、頭の中で『六甲おろし』が聞こえてきたが、すぐに母親が一緒ではないかと気になった。
「お兄ちゃん、咳大丈夫。はるちょっと心配で…」
「あ、ありがとう、全然大丈夫だよ。よく来てくれたね。うれしいよ。えーとお母さんは?」
「う〜うん、一人なの。昨日お習字行けなかったから、今は、お習字の帰りなの」
「あっそうなの、ちょっと上がっていく?」
 母親がいなければこっちのものと、はるちゃんを気軽にさそう。
「うん!おじゃまします」
 はるちゃんは、僕の元気そうな様子を見て、ほっとしたような顔をしている。さっきの咳き込み作戦が早速、効果を発揮したようではるちゃんは、自分のせいで僕が風邪をひいてしまったのではないかと、ずっと気にしていたようである。それに今晩は、母親が準夜勤で(病院勤務は『8時から17時の日勤』『16時から翌1時までの準夜勤』『0時から9時までの深夜勤』の3交代になっているそうだ)父親は、中国に長期出張中なので、家に帰っても一人ぼっちで過ごさなくてはならないようだ。確かに灯りのついてない真っ暗な家に帰るのは、大人の僕だっていやな物があるのだから、子供だったらなおさらそうだろう。
「お兄ちゃん風邪が早く治るように、これ食べて」
 母親が夜勤の時は弁当を作っておくようで、優しいはるちゃんは、その弁当をすすめてくれる。
「本当、嬉しいな。でもそれじゃはるちゃんの分がなくなっちゃうから、お弁当を半分コしてあとピザでも取ろう」
「うん、ピザ大好き」
「じゃ好きなのたのみな、フライドポテトとかフライドチキンとかもあるよ。」
 無邪気に喜んでいるはるちゃんに、取りおいてあるピザ屋のメニューをわたす。
 ピザを待つ間に、はるちゃんのかわいい横顔を眺めながら、ぼんやりと考える。僕は○○大学生のエリートである。この4年間を無難に振る舞い地元に帰れば、不景気とはいえそれなりの道が用意されている。しかし目の前にはるちゃんがいる。悪魔的魅力で僕の心をかき乱す、天使みたいな女の子。今はあどけなくアニメを見ているこの秀麗な女の子を、あきらめるのはあまりにも口惜しい。と言うよりも、もはや今の僕には、はるちゃんを諦めることなど不可能である。
「この玉子焼きおいしいね」
「うん、お母さんねぇお料理は上手なんだ。お掃除やお片づけはねぇ苦手なんだけどね、キャハハハ」
「はるちゃんは、料理とかしないの?」
「お母さんのお手伝いとかはするよ、それでね、この前ねぇハンバーグ作ったの」
「へーぇすごいね。今度お兄ちゃんにハンバーグの作り方を教えてよ」
「いいよ、今度ねぇ、はるが作ってあげるよ」
「ホント、嬉しいなぁ約束だよ」
「でも、お兄ちゃんねぇお腹壊すかもよ。キャハハハハ」
「お兄ちゃんさぁ『モー娘。』の中でぇ誰が好き?」
「そうだなぁ、保田圭かな」
「ガクッ!本当は誰なの?」
「ホントだよ」
「ガクッ!はるはねぇ、辻と加護と後藤と高橋…あと矢口とヨッスィーとナッチ」
「それじゃあほとんど全員じゃん。だめだよハハハハ」
「はるちゃんは、大きくなったら何になりたいの」
「はるはねぇ、美容師さんか理容師さんになりたいの」
「理容師さんって、床屋さんのことでしょう?」
「うんそうだよ。今度ねぇお兄ちゃんに床屋さんさせて、チョーかっこよくしてあげるからさぁ」
「えー、はるちゃんに任せて大丈夫かな」
「へへーん、はるねぇ、お父さんにしてあげた事があるから平気だよぉ。ちょっと血が出たけど、キャハハハ」
「習字の他に何か習い事してるの?」
「あとはねぇスイミング」
「ホントー、お兄ちゃんも高校まで水泳の選手だったんだよ」
「スゴーイ、はるねぇクロールが上手く出来ないの、お兄ちゃん今度教えてぇ」
 はるちゃんは子供特有のちょっとハスキーな声で、甘えたようにゆっくりしゃべる。その間延びした話し方が、僕にはかわいくて仕方ない。それにはるちゃんは、表情がとても豊かで、イーといやな顔をしたり、プ−ンとおこった顔をした時など胸がキュンとなるほどの、いとおしさを感じる。


 それから、はるちゃんは、週に四、五回程度のペースでアパートに顔を出してくれた。特に母親が準夜勤の日は、遅くまで僕の部屋で過ごしてくれた。
 二十歳になろうとしている大学生と、十歳の女の子というアンバランスな二人を、調和させるのに役立ったのは、ITであった。デジカメとプリンターでプリクラもどきをしたり、ネットから某アイドル・某キャラクターの画像をダウンロードして、シールやカレンダーなどを作ったりした。出会った頃は、コタツに向かい合っていた二人も、いつしか隣あってノートパソコンを見つめている。一辺が60cm程度のコタツに、二人が足を投げ出して座っている。こんな狭い所に入れるかと思うほど狭いところに、小さいはるちゃんは入り込んで、パソコンにかじりついている。
「ここでOKのボタンをカチってして」
 僕はその小さな背中にそっと手を添えたり、白くて細い指先に手を添えてパソコンの操作を指示する。
「えぇー、こうするの?」
 はるちゃんも僕に、体を密着させてモニタを覗き込む。その小さな胸が僕の腕に触れて、僕はドキドキするのだが、はるちゃんはそ知らぬ顔で、画像の加工に熱中している。
「そうそう、そこでカチカチって2回押して」
 黒くツヤのある髪がほのかに香っている。
『これが大人の女ならば、イエスという意思表示であることに違いないが……はるちゃんは、知っていてわざとしているのか、それともただあどけないだけなのか』
 僕は戸惑うばかりである。僕は少し前に友人と日帰りで、温泉に行った時の事を思い出していた。そこには、はるちゃんと同じくらいの女の子が父親と男風呂にいて、全裸で無邪気にはしゃいでいた。もしはるちゃんが平気で、男風呂に入ってしまうような精神の発達段階であれば、はるちゃんの成長をもう少し待とうと思う。はるちゃんが肉体的にも精神的にも、僕を受け入てくれてないのに、無理に何かをしてしまおうという気はない。
 裸になっても恥ずかしくない女の子を、裸にしてもあまり意味はない。征服するのは肉体でなく、その意思であるべきだ。純真無垢な女の子がその純真無垢な意思でこの場に居て、そしてその純真無垢な意思で体を開く。それが理想であろう。


――木の芽時――
 街の風景も随分とうららかになり、春の到来を実感でき始めた頃、今日もはるちゃんは、僕の隣の指定席でだいぶ慣れた手つきでパソコンを操作している。
「はるちゃんさあ、もうじき春休みだけど何処か遊びに連れてってもらう予定があるの?」僕は何気なく話し掛けた。
「う〜ん、何もないの、お母さんはぁ忙しいし、お父さんはまだ中国なの」
『何か悪いこと聞いちゃったかなぁ』とはるちゃんを見るが、別に気にしてる様子はないので少し安心して
「じゃあお兄ちゃんが何処かに、連れてってあげようか?」
「キャツ!!うれしーい。ホントにホント?」
「うん!!何処でもいいよ。何処にいきたい?」
「はるねぇ、えーとねぇ、えーとねぇ、はるねぇ動物園好き」
「ヘッ、動物園でいいの?もっと他に遊園地とか映画とかでもいいんだよ。遠慮はいらないんだよ」
「はるねぇ、ホントに動物園がいいの」
 僕らは、はるちゃんと一緒にパソコンで作った『あひるとひまわりカレンダー』を見ながら日程を決めた。
「じゃあこの日にしよう。どういい?」
「うん!やったぁ。ホントだよ?ホントだよ?じゃ指切りしよう、ウソついたら針千本だよ」
 はるちゃんは僕と小指を絡ますと、大げさに手を振りまわすように指切りをした。
「それじゃお兄ちゃん朝が弱いから、遅れないように起こしに来てね」
 僕は本当に朝が弱いので、何処かで待ち合わせをすると確実に遅刻をしてしまう確信がある。
「了解、隊長」
 はるちゃんは、おどけて敬礼をした。
 その後、その日までに二、三度、はるちゃんに会っているが、はるちゃんの喜び方は、無邪気そのものだった。
「○○動物園ってね。お猿さんがねぇ、面白いんだよ」
「へぇー、どんなふうに?」
「あのねぇー、エサをね『ちょうだい、ちょうだい』ってねぇ、手を出すの」
「ほんとぉー」
「あとねぇ、ゴリラがねぇ、エヘへへ…こっちにウンチをねぇ、投げるんだってキャハハハハ」
「そりゃー大変だ」
 動物達の解説をしてくれたかと思うと、今度はトラが顔を洗う仕草を真似たり、象のまねをしたりと全身で喜んでくれている。たかが動物園でこんなに喜んでもらえるなんて、かえってこちらが恐縮してしまうくらいであった。


 果たしてその朝がきて、僕はグッスリと、眠っていた。
「起きて下さい。隊長」
 僕はベットでなく布団で寝ているのだが、枕もとではるちゃんの声が聞こえる。
「起きて下さい。起きて下さい。隊長」
 はるちゃんは、僕の体を揺り動かす。
 僕は夢うつつでビデオデッキの時計を見ると、まだ[6:56]であった。
「もうはるちゃんまだ早いよ。もう少し寝かせて…よぉ」
「…………」
 はるちゃんは少しの間静かにしていたが、やはり待ちきれないのだろう。
「お兄ちゃん、起きて、起きて」
 僕の足の裏をくすぐってみたり、布団を剥ぎ取って僕を揺り動したりする。
 三月末とは言え朝晩は、まだかなり冷える。僕はただもう少しだけの安眠を得ようと、
「もう少し寝ようよ…」
 四つん這いになり、僕の胸のあたりを揺すっていたはるちゃんに、剥ぎ取られた掛け布団をかぶせて、そのままはるちゃんの肩を押さえて、すぐ横に寝かせてしまった。つまりはるちゃんは、僕に添い寝をしている格好になった。
 この僕の行動はただ単に、あと少し寝たいだけのことで他意はなかったのだが、結果として大ヒットであった。転がり込んで来た幸運に心の中でガッツポーズをする。枕を同じにして、はるちゃんがすぐ目の前で目を閉じている。僕の鼻の先にはるちゃんのおでこが、触れそうである。
『よし落ち着け自分』自分自身をクールダウンさせるため、反対側に寝返りをうった。
背中ではるちゃんの息が聞こえ、はるちゃんの手足がモゾモゾと動き、その度に僕の体に触れる。はるちゃんの温もりの幸せに浸りながら少し時間をおいて、再び寝返りをうった。
 今度は僕の唇とはるちゃんの唇が超接近した。はるちゃんの生暖かい息が顔にかかる。夢にまで見た、はるちゃんの唇はすぐそこだ。僕はもう迷わない、いやもう止まらない。そのまま姿勢を直すふりをして、はるちゃんの唇に唇を重ね合わせた。ついにはるちゃんとチューをしてしまった。プリプリっとした唇の柔らかい感触が伝わってきて、心地よい興奮が全身を包み込んでくる。はるちゃんの方も、唇を合わせたまま目を閉じている。緊張しているのだろうドキドキと早い鼓動が、唇越しに伝わってくる。それから寝相を直すふりをして、さらに唇を押し付け、それから何度かモゾモゾと動きながら、はるちゃんの唇やおでこやホッペに唇をつけた。はるちゃんは、柔らかくてスベスベでとても暖かい、罪深いからこそ喜びが大きいのだろうか、この上のない幸福感が全身を満たしてくれている。
 僕はもう寝たふりをしていられなくて、はるちゃんのホッペを人差し指でトントンと軽く突っついて
「おはよう。はるちゃん」
 目の前のはるちゃんにささやいた。
「"お兄ちゃんのエッチ"これは寝言でーす。はるは、まだ眠ってまーす。グーグー」
 はるちゃんは、目を閉じたままかわいい寝顔で少し微笑んだ。
 僕は子供の熱を診る時のように、おでことおでこを重ねあわせる。
「寒くない?」
「うん」
 はるちゃんは、目を開け恥ずかしそうに僕を見てすぐに目を伏せる。
「そろそろ起きようか?」
「……あともうちょっと…」
 会話を交わすたびに、はるちゃんの息が僕の顔に届く。
「じゃあ、もう一回チューしよう」
「うん」
 僕が唇をツンと尖らせると、はるちゃんは、ちょっとあごを上げて『チュッ』と軽く唇を合わせてくれる。僕らは、小鳥のように軽く触れるだけの口付けを何度も交わした。
 この上もなく幸福な朝、遠くから、目覚め始めた都会の喧騒が聞こえてくる。
「そろそろ、仕度しないとね」
 僕は上体を起こし、頭をかき、背伸びをして深呼吸をする。
「さぁー気合を入れるぞ。顔でも洗おうかな」
 はるちゃんは、掛け布団を鼻の辺りまでかけていて、少し潤んだ目で僕を下から見上げている。
 僕が洗面所に向って二、三歩進むと
「お兄ちゃん !! ……」
 はるちゃんがすっと起き上がり抱き付いた。僕は一瞬ビックリして後下がりしたが、すぐにはるちゃんを抱きしめた。
『それにしても、はるちゃんってこんなに小さいんだよなぁ…』
 はるちゃんの小さな背中に腕を回し、その小さな体をあらためて実感する。
 ややおいて僕は、はるちゃんのあごに指をそえ、上を向くように促し、背中を丸めるようにして、はるちゃんの唇に唇を合わせ、わずかに開いた口の隙間から舌を侵入させる。おそらく、はるちゃんはキスは知っていても、舌をからます事までは知らなかったのだろう。はるちゃんの舌に僕の舌先が触れると、さっと舌が引っ込み口は閉じられてしまった。僕は何度か舌の進入を試みたが、貝のように閉じられたかわいい前歯を突破できない。
 僕は一旦唇を離し、膝立ちになって再び唇を寄せる。
「できないよう」
 はるちゃんは、すうっと顔を後ろに引いてしまう。
「大丈夫、唇だけだから」と安心させ再び唇をつける。
 唇を重ねたままゆっくりと時間をおいて、用心深く再び舌を侵入させる。またはるちゃんの舌に僕の舌が軽く接触するが、今度はさっと舌が引き上げてしまう事はない。さっきのようにビックリさせないように舌が触れたままにしておき、じっくりと時間をかけてから、優しく注意深く口を吸い始める。はるちゃんの舌が気圧差により、僕の口に導かれてくる。はるちゃんには、自身の舌が僕の口に納まっていった実感はないのだろう。それから恐る恐る舌をからませると、おもむろにはるちゃんの舌が動き始めた。と言っても、どうしたら良いものか分からないと言う感じで、ただ頼りなげにモジモジと動くだけである。それでも徐々にためらいの色が薄れ、それに比例してはるちゃんの舌の運動は活発化していく。ある時点で、踏ん切りがついたのか、舌の動きが果敢な物に変化していった。決して巧みな動きとは言えないが、一生懸命に僕の口へと舌を出し入れしている。そのぎこちない動きは、幼いのにもかかわらず何とか男の欲望に応えようとしていて女そのものであった。僕はその健気さに感動して、はるちゃんを力いっぱい抱きしめ口を吸った。
「う〜ん、うぐうう」
 接着した二人の口元から、はるちゃんの声が漏れる。僕は、なおも強くはるちゃんを抱きしめその口に吸い付いた。
「ひぃーん」
 はるちゃんは、ふさがれた唇からかわいい悲鳴を上げて、唇をそっと離して
「あ〜ん、お兄ちゃん痛いよぉ」
 はるちゃんは微笑みながら、抗議する。
「……ごめん、ごめん」
 僕は、苦笑して謝る。
「ハーイ、これでおしまいね」
 はるちゃんは、背伸びしながら『チュッ』と僕の頬に唇をつけて、五秒程度静止してから唇を離し
「さぁ、動物園に行こう」
 と右手をあげた。
 一体どっちが年上なのかといぶかしんでしまうほど、はるちゃんのペースで事が進んでいく。


 春の柔らかな日差しが、芽吹き始めた木々を照らし、芝生には少し気の早い紋白蝶や蜜蜂が舞い、タンポポの花が春風にたなびいている。暖かくて爽やかな春の日、まるではるちゃんのようだ。
 園内は春休みと言っても、平日なので思ったより閑散としている。はるちゃんは、赤系のチェックのミニスカートに、白のふわふわっとした感じのセーターがとてもよく似合っている。僕らは手をつないで園内を散策した。一体僕らを周囲の人間はどう見ているのだろうか。親子、兄弟、恋人……そんな事どうでもいい、もはや他人の目は全く気にならなかった。
 僕らは一通り見学を済ませると、三分咲き程度の桜の木の下のベンチに腰掛け、売店で買ったたこ焼きやソフトクリームをほおばる。
「どう、おいしい?」
「うん、おいしい」
「さっきのチューも?」
「……意地悪」
「まだ、早かったかなぁ?」
「…うう〜ん、大丈夫。最初はねぇ、ベロがねぇ、ビックリしたけど。お兄ちゃんのベロってねぇ、ツルツルでねぇ、…気持ち良かった」
 はるちゃんは僕を見て、照れ笑いをしている。
 僕は感極まってはるちゃんの肩を抱き寄せ、唇を奪う。とろけそうな長い長い口付け、この地上には、僕たち二人しか存在していないかのような静けさが僕らを包み、僕とはるちゃんが一つに融合していく。
「今のチュー、新記録だね」
「お兄ちゃんのチュー、ソフトクリームの味がしたよ」
「はるちゃんの口は、たこ焼きの味かな」
「うそぉ、違うもーんだ」
 はるちゃんは、例のかわいらしいイーという顔をして、プイっと横を向く。
「あっ、あのツクシ、はるとお兄ちゃんみたいだよ」
 はるちゃんは、道の傍で寄り添うように生えている大小二本のツクシを指差した。
「えっ、何処?何処?」
 僕はツクシを探してキョロキョロと左右を向いた時に、わざとソフトクリームを頬に付けて、そのソフトクリームを指差す
「あー付いちゃった。ここ、ここ……はるちゃん………舐めて」
 そんな僕を見て、はるちゃんはあきれたような顔をして
「きゃー、おまわりさーん、この人変体さんでーす」
 はしゃぎながらおどける。
 僕が少し調子に乗りすぎたとポケットからティッシュを出そうとすると、はるちゃんはほっぺを少し膨らませて
「もーう!!いいよ、舐めてあげるから」
 はるちゃんは、立ち上がって僕の肩に手を乗せ、上半身を折り曲げて、僕の頬のソフトクリームをペロリと舐めてくれた。
「おいしい?」
「おいしいけど、恥ずかしいよォ」
 いたずらっぽく笑ったはるちゃんの笑顔は、春の日差しにキラキラ輝いていた。
 僕はただこの甘美な時が、永遠に続けばと心の中で何度も思った。


 あくる日、僕は昼頃目を覚ましてポストに新聞を取りに行くと、ポストには、新聞やダイレクトメールと混じってキリンの絵のついた便箋が入っていた。
 それははるちゃんからの便りであった。
      ◇◇◇
お兄ちゃん昨日は、どうもありがとう。
はるは、エッチ病なのでしょうか?
はるは、お兄ちゃんがしてくれたチューを忘れられません。
また遊んでね。
      ◇◇◇
 便箋の下半分には、色鉛筆で僕の似顔絵と二本のツクシが描いてあった。




―――あとがき―――
 『土筆』と『尽くし』をかけたつもりで、はるちゃんにはもっと尽くしてもらうはずでしたが、力不足で当初の予定と随分と違ってしまいました。名字も阪神の選手から取るつもりで星野のはずでしたが、友人の中川君に『少年ナイフのCD』で買収され中川にしてしました。中川君は何故だか大喜びしています。前作より今作の方が青写真が先に出来ていましたが、最初の投稿は全部やっちゃってるものでないといけないと思い、投稿の順序としてこちらが後になりました。季節感が全くデタラメです、きとくな方、来春読み直してください。
 馬鹿は馬鹿なりに、知恵をしぼり丹精こめて創作しました。作り手としては皆様の評価が気になるものです。
 例えば皆様に『つまらねえな』と思われているのにもかかわらず、必死に創作し投稿し続けているのは、あまりにも惨めですし、逆に皆様に喜んでいただければ『疲れ目』『肩こり』も吹っ飛んで明日の創作への活力へとなるものです。というわけで人気投票、掲示板での評判が良ければ、この続きを創作しようと思います。皆様の清き一票と忌憚のないご意見をお願いいたします。(平成14年6月)