「プチサディストなご主人様」  相馬至



「んー……」
 パソコンの画面とにらめっこをしている僕「平先 幸人」。
 メールで送りつけられてきた書類に目を通し、訂正が必要な部分にイチャもんをオマケして本社に返信するだけの作業なのに、何故これだけ疲れるのか。それは量が尋常ではないからである。何せ、メールボックスがつぶれるほど送ってくるからだ。おかげで、僕はメールサーバーを3つも持つ羽目になっている。
 最近、ほぼ寝ていない。まず、起きる(因みに5時起床)、飯(5分で食べれるほど少量)仕事(14時間ほどぶっ続け)、風呂、そして又仕事(そして又14時間ほどぶっ続け)寝る(1時間)、といった生活これが2週間ほど続いている。因みに一日一食。不規則だ。不規則すぎる。だが、この仕事ももうすぐ終わる。そう、この仕事はもうすぐ終わるのだ。はっはっは、ざまぁみろ閻魔大王。地獄の住人ども、そこで永遠に這いつくばっていやがれ。
 ……考えていることが徐々に変になっていく。ここまで来ているとなると、僕は相当疲れているのだろう。仕事の数は残り3つ。さっさと終わらせよう……。
 とんとん
「ご主人様ぁ〜」
 ノックと同時に、ドアの外から、幼い少女の声が響く。
「入ってもよろしいでしょーかぁ〜」
「いいよ、入っておいで」
「ミルクティーとケーキをお持ちしましたぁ」
「おぉ、ありがとう」
 ちょうど今甘いものが食べたい時期だった。
 彼女は、日下部 夕菜。僕の家で勤めるお手伝いさん。父親が養子縁組合いから引き取った娘だ。引き取ってその四日後に父が他界してしまって、今この娘と二人暮しをしている。
 ちょうど肩のあたりから切った、栗色の髪に、透き通るほどの白い肌。オレンジのタンクトップに、ゆったりとした茶色いジーンズ生地のスカートという健康的なファッション。顔立ちと体系が幼くさえなければ、ゾットするほど美人なのだろうが、童顔のせいで、「美人」というより「可愛い」に値する。まぁ、僕から言えば、美人よりも、可愛い子の方が好みなのだけれど。確か今年で12になるとか、ならないとか……。
「それにしても、ナイスタイミングだね、夕菜。ちょうど今、甘いものが食べたい気分だったんだよ」
 一息つけるのにちょうどいいだろう。まずミルクティーに手をつける。
「ん〜、格別美味しいよ」
 といっても、僕がここ最近余り物を食べていないから格別そう感じてしまうのか。
「えへへ〜……」
 夕菜のほうは、誉められたからか、少し頬を赤らめていた。
 ケーキをフォークで縦に切り、断片を突き刺し、口に放り込む。
「ん〜……」
 頬がこぼれ落ちるかと思うくらい美味い。これほどまでに食べ物が美味い、と感じたのはゆうに何年ぶりだろう。
「お仕事のほうは、いかがですかぁ?」
「うん。後三件ほどで終わる……」
 ふぁ、っとあくびを噛み殺す。
「ご主人様、ちゃんと寝てらっしゃいますかぁ?最近、ずっとお部屋の明かりつきっぱなしですよぉ?」
「朝はちゃんと消してるよ、夕菜。大丈夫、ちゃんと寝てるよ」
 1時間ほど、とはさすがにいえないが。なにせ、この娘は必要以上に心配性な点がある。一度、断らずに外出をしたら、行方不明になったのだ、などと思い込み、警察を動かしたことさえある。さすがにそのときは小一時間説教をしてやったが。それはきっと彼女がずっと一人だったからだろう。ほぼ孤児同然に彼女は施設に預けられていたのだから。彼女は、家族愛に飢えていたのだろう。といっても、この心配性には目を配るものがある。
 きっと今「1時間しか寝ていない」などといったら、今すぐ寝るように促されるだろう。それもかなり強引に。
「そうですか。なら良かった」
「じゃぁ、僕は仕事に戻るから」
「はい、お体に気をつけて」
「大丈夫。これが終わったらご飯を食べて寝るよ」
 そして夕菜は軽くお辞儀をして部屋を出た。
「……さてと」
 そして僕は又仕事に取り掛かる。


どうにか仕事は終わった。
「今何時……?」
 6:00
 予定より少し早めに仕事が終わったようだ。自室で暇を持て余しているというのもなんなので、キッチンにでも行って、恐らく料理をしているであろう、夕菜の顔でも見に行こうかと思う。
 階段を下りて、すぐに玄関に出る。僕が立っている方向から左に行けば、キッチンだ。
とんとんとん……と小気味よく包丁を下ろす音が聞えてくる。
 キッチンに入ると、身長が足らないのだろうか、踏み台を使って、自分の身長にあわせた高さで、ジャガイモを切っていた。
「やあ、夕菜」
 声を掛ける。
「あ、ご主人様」
 夕菜はいったん包丁を置き、向き直る。
「お仕事の方は……終わりましたか?」
「うん。終わったよ。暇だったから降りてきたんだけど」
「そうですか。未だ料理は出来てませんけど……」
「そうか。ならちょっと見学するよ」
 余り僕は夕菜が料理をしている所を見たことが無い。これは良い機会だろう。
 カレールーと、ジャガイモにニンジン、タマネギに牛肉と、材料から見据えると、今日はカレーだろうか。
 もう一通り材料は切り終ったらしい。あらかじめ沸騰させておいた熱湯に、コンソメスープの元を入れて、材料を放り込む。
「後は材料が煮えるまで待つだけですね〜……」
「じゃあ、その間に……」
 僕はがっしりと夕菜の体を抱き添える。
「えっ?」
 夕菜は状況が読めず、戸惑っている様子だった。
「ちょ、ご主人様一体何……あっ……」
 タンクトップの脇のあたりの隙間から手をしのばせる。弄ってやると、小さな突起が僕の掌をくすぐっていた。それをつまんで、転がす。
「っん」
 それを続けると夕菜は「んっんっ」と歯を食いしばった。どうやら、迫り来る快感の波に必死で耐えているようだ。だが、耐えようとする心情とは裏腹に、その小さな突起は堅く尖っていく。
「んぁ、止めて……ください」
「良いじゃないか、二週間ぶりなんだから。僕だって溜まってるんだよ」
「そんな……でも料理がとちゅ……んんん!」
 強引に唇を奪い、舌を絡ませる。こうなってしまえば、夕菜は僕に抵抗できない。
「ふはぁ……」
 夢見がちに、とろんとした目で僕を見る夕菜。もう完全に出来上がってしまっている。
 ――よし。
「夕菜、僕に背を向けるようにして、テーブルに手をつけて」
「……はい」
 素直に夕菜は後ろにあるテーブルに手をついた。踏み台の位置とテーブルが少し遠めにあるためか、夕菜は猫のように体をそらさなければならない格好になった。背中のラインと、スカート越しに盛り上がったヒップに、少し見える子供らしい白い下着が、艶かしく、僕の目に入り込んでくる。
 お尻を鷲づかみにし、顔をパンツに持って行く。わざと鼻を密着させ、くんくんと匂いをかいでやる。
「Hな臭いがするなぁ」
「……恥ずかしい」
 夕菜は余りの羞恥のためか、もうどんな言葉を発して良いのかわからないようで、口数が少なくなっていた。
 お尻を揉み解し、パンツ越しに舌を這わせる。
「あぁん、き、気持ち良い、気持ち良いよぉ……」
 ――これが今年12を迎える女の子の鳴き声か?いまさらになって思う。肉体関係をもつに連れ、彼女はだんだん僕とのSexになれていき、子供らしさを失っていった。その行為がとても犯罪的な気がして、麻薬のように依存性を持つ快感が、彼女との行為を重ねるたび、僕の体を突き抜けた。言わば、僕はサディストなんだろう。
 舌を離すと、僕の唾液とそうでない液が糸を引いた。
「ほら、もう下着越しでもわかる……」
「はぁ、はぁぁぁ」
 無理な体勢をしていて、疲れたのか、それとも快感に耐え切れないのか、ひざががくがく震えていた。
 下着を一気にひざぐらいまでに擦り下ろす。ピンク色をしたアヌスに、ぬらぬらと輝きを放つ液体の滴る、ピンク色の秘唇が目に付いた。その秘唇には覆い被さるような恥毛はない。まだ、毛も生えていない少女を、これから犯すのだと思うだけでも、僕の腕に鳥肌が粟立つ。
「もう指なんて簡単に入っちゃうよ?」
「はぅぅぅぅぅ!」
 ズップリ、といった感じに何の抵抗も無く、僕の人差し指が彼女の膣に埋没していく。
指を動かすたびに、ずちゅっずちゃっ……と淫猥な音を響かせる。
「やああ、壊さないでぇ」
「随分感じやすいじゃないか。ずっと一人でしてたのかな?」
「あぅぅぅ、だって、ご主人様が、してくれないから……」
「悪い娘だ。お仕置きをしてあげないとな」
 一気に指の動きを激しくする。指をくいっくいとまげて、弾力のある膣壁に、指をこすりつける。
 夕菜はテーブルをがりがり引っ掻き始めた。ひざの震え方も尋常じゃない。
「はぁ……あぁ……んんんん! も……やめ、て……でないと、私おかしく……ふああ!」
 泣き顔で哀願をしてくる夕菜。その顔が僕に拍車を掛ける。
「だめだよ、夕菜、これはお仕置きなんだから、
 今度はもう一方の人差し指で淫芽を弄くりながら、さっきと同じ動作を繰り返してやる。
「ひゃ……にゃぁぁぁぁぁぁ!!」
 ついに快感に耐えかねたのか、軽くイってしまったらしい。ずるずると、踏み台からバランスを崩し、落ちそうになるところを僕が抱きとめる。
「さぁ……本番だ」
 手早くズボンのチャックを開け、自分の逸物を出す。夕菜の膝まで擦り下げておいた下着を、全部取り、彼女の脚を抱き、大また開きにして、僕の胸に背中が当たるように抱き寄せた。先端を秘唇に当てる。
「あっ……」
 そして夕菜の腰をおろしていく。小さな体に、ズブブブと僕の大きな逸物が埋没していく、が途中で動きが止まった。これ以上入らないらしい。
「んんんん……にゃぁ……にゃぁぁ! ご主人様の……いつもより……っはぁ、大きっ……んはぁ」
「動くぞ」
 ズチャズチャといやらしい音を立てながら、僕は腰を振る。
「んっんっんっ……あっ、はぁぁぁあ、だめ、今度こそ……わたし……おかしく……あぁ、ご主人様、ご主人様ぁぁぁぁあ!」
 腰の動きをさらに激しくする。後は絶頂まで一直線だ。腰を動かすたびに、大きな快感が夕菜の体に駆け巡っているようだった。証拠に、びくんびくんと、背中を大きくのけぞらせながら反応している。
「に……にゃぁ、イっちゃう、イっちゃうよぉぉぉ! はぁぁ、ご主人様ぁぁぁぁ!!」
 キュゥゥゥ……と急激に夕菜の膣が締まる。
「くっ……」
 僕もそれに耐え切れなくなり、夕菜の膣に大量の精を放出した。
「はぁぁぁ……熱いのが、熱いのがドクドクって……いっぱい、私のおなか一杯なのぉ……ご主人様ぁ」
 恍惚の表情で僕を見てくる夕菜。それがとても愛しくなり、最後にまたキスをしてやった。
 結合部から、滴り落ちる精液と愛液が入り混じった液が、床を汚した。


「さ、カレー作りましょうか」
「うん」
 何事も無かったかのように振舞う夕菜。ことが済んだ後えらくそっけない素振りを見せるのは、夕菜が照れ隠しをしている証拠だ。やはり恥ずかしかったのだろうか?
 まぁ、思っていてもしかたの無いことなので、カレー作りに取り掛かる。もう材料に充分火が通ったようだ。
 夕菜はルーを入れる。
「あ、ご主人様、コーヒーとチョコとヨーグルト取ってくれますか?」
「え? いいけど、そんなの何に使うの?」
「隠し味ですよ。カレーの味がより深くなるんです」
「へぇ〜……」
 料理などに全く無知な僕は大いに感心していた。
「さっ、隠し味を入れたところで、完成です。もっていきますので、リビングで待っててください」
「わかった」


 ほのかなカレーの匂いが、徐々にリビングに近づく。
「お待たせしましたぁ、ご主人様」
「おぉ〜……」
「シンプルな料理ですが、ご勘弁を……」
 少々シュンとする。
「いやいや、いくらシンプルな料理でも、君が作ると格別だよ、夕菜」
 一口すくって、食べる。嫌味にならない辛口が口に広がった。甘党な僕でもすっきり食べられる辛さだった。
「うん、美味しい。夕菜も食べなよ。冷めちゃうだろ」
「はい、頂きます」
 夕菜も食べだした。僕はドンドンドンドン口の中に放り込む。まともな食事は実に2週間ぶりだ。
 ――とはいえ、やはり、一人で食べるより、二人……いや、たくさんの人数の人と食べると、美味しく感じるのだろうか。
 忘れかけていた家族団欒を思い出し、顔がほころぶ。


 僕らの笑顔は、絶えることはない。