「井川恵のこと」 遠州力
中村大輔は重い足取りで自転車を走らせていた。本来なら彼の人生の中で最も輝かしい時であるはずの十七歳の夏、大輔は困り果てていた。その元凶は、大輔が家庭教師として受けもった井川恵(いがわめぐみ)である。今日で四日目になるが恵は大輔を無視しているかのように全く口をきいてくれない。もともとこの夏はビデオ百本、本三十冊をたいらげる予定でいて、バイトをする気などサラサラなかった。大輔にとって恵がただの女の子であれば取り付く島もなく断るところだが、大輔には固辞できない理由があった。それは恵が大輔の父親の勤務する会社の社長の令嬢だからだ。
恵は傍で見るほど幸福ではなかった。グループ従業員三千人の地方の財閥を一代で築いた父親が、十二年前会社の催しものによんだ当時無名のアイドルグループの一人に手をつけ、出来ちゃった結婚した。つまりその時出来ちゃったのが恵である。間もなく夫婦の愛情は冷め、恵が幼稚園に上がる頃には父親は母親に暴力を振るったりもしていた。この母娘は恵がE女子学院の初等部に合格したのを期に、通学に便利な街の中心部のマンションに移り父親と別居してしまった。
この恵がかなり優秀なようで来春からはK大学の中等部に編入させようという話が浮上した。E女学院も名門であるが短大までしかなく、K大学の方は一流だしもちろん四年生の大学まであり、合格さえすれば井川家程の経済力があれば難なくエスカレート式に大学まで進めるだろうという事である。父親は妻への愛情は冷めていたが四十を過ぎて出来た恵を溺愛している。父親はあれこれ思慮した挙句、自分の会社の社員の子供なら井川家に忠誠心を持って必死に励むであろうと適任者を探索した。
大輔は県下で一番の歴史を持つ公立高校の生徒で、小学生の時にK大中等部を受験し合格している。もっとも大輔には合格しても入学する気は最初からなく地元の公立中学にそのまま進学した。
程なく父親を通じて大輔に家庭教師を引き受けないかと打診があった。大輔は、重い十字架を背負わされた。もし恵が受験に失敗すれば父親の立場が危うくなり中村家の生活に悪影響を及ぼすだろうし、その逆に合格させればかなりの褒美が中村家にもたらされるだろう。いまや中村家の命運は大輔に委ねられている。しかし大輔には指導のしようがなかった。
閑静な住宅地にひときわ目立つ高層マンションの最上階。
「こんにちは、中村です」
母娘の二人暮しには、かなり贅沢な4LDKの家は玄関まで冷房がよくきいていた。
「どうぞ上って下さい」
母親の声が奥の方からする。一階のホールで訪問を告げてあるのでその応接はそっけない。
大輔はさっさと靴を脱いで恵の部屋に向かう。玄関を入ってすぐ右側の8畳の洋間が恵の個室であった。ベット、書棚、机、テーブル、椅子、AV機器など高級なものが趣味よく整頓されていた。
(コンコン)「こんにちは」
大輔はドアをノックし恵の部屋に進出する。
「…………」
恵は机に向かったまま黙って会釈した。
恵は超一級の美少女であった。その容姿は小学六年生の女の子とは思えないほどの威厳を含んだりりしさがあり、可愛いというよりは、美しいという形容の方が適切だと思われる。高貴でシャープな顔立ちにストレートのロングヘアーは黒い光沢をたたえながら緑に輝き、透き通った切れ長の瞳は侵してはならない神聖な玉のように神秘的な光を発している。
この美少女を相手に午後一時から四時まで教えて日当一万円、しかも高級なおやつも出される。本来ならこんなハッピーなバイトはないであろう………。
(コンコン)
母親が顔を出す。やはり元アイドルという事だけはあるかなりの美人だ。母親がベルギーかどこか西洋のお菓子と紅茶を持ってきてそれをテーブルに置く。母親はいつもの挨拶のセットを交わすとそそくさと部屋を去り、十五分もしないうちに何処かに出かけてしまう。
大輔は最初、この母親に活路を見出そうとしたが、すぐにあきらめた。母親は娘の受験より遊びのほうに興味があるようだ。まだ三十代前半なのだから無理もない。
恵は孤独でさびしい女の子でもあった。
冷たい沈黙がこの部屋を覆いはじめる。大輔はこれまで何度か恵にコミニケーションをはかったが、恵の深い沈黙にあえなく玉砕されてしまう。
大輔は思い切って自分の置かれている苦しい立場を率直に打ち明けた。すると恵はやっとその重い口を開き、堰を切ったように事情を語り始めた。
その旨を要約する。
別に大輔を無視している訳でなく、男性にどう接していいか分らないのだと言う。幼い時に父親の母親に対する暴力を何度も目撃しそれがトラウマとなり男性が怖くてしかたないと言う。しかも女子小学校に通っているため男性への免疫が出来ず、男性に問い掛けられると体に緊張が走り一言も発する事が出来なくなってしまうのだと言う。男性が近くにいるだけで頭が真っ白になってしまうのだと言う。K大学の受験会場にも当然男がいるだろうし、そんな中では試験どころではなくまず合格は不可能であると言う。運良く合格しても共学であるK大中等部には通いたくないと言う。自分は病気であると言う。
『美しい』薄っすらと涙を浮かべている恵をみて大輔は不道徳にもそう思った。
大輔は次の瞬間、事態が想定以上に深刻なのに悲嘆したが、すぐにその恵まれた頭脳をフル回転させ解決策を捜索した。そしてこの時の大輔に悪魔が憑依したかのごとく次から次へとデマカセが口から湧き出た。
「僕には心理学の心得があります。まず病気の治療に最も肝要なのは早期発見、早期治療です。その観点から見て君の心の病はまだ手遅れではないですが決して早期のものとも言えないでしょう。率直に言って僕には君を完治させる自信がありますけれども君の病状の重さからみてそれには君にとって相当辛い処置をしいることになるでしょう。要するに君が僕の処置に耐えられるかどうかと言う事です。ボールは君に投げられたのです。どうでしょう我慢できますか?」
すべてデマカセであった。
恵にとって大輔が完治すると明言したことはポジティブサプライであり気持ちを明るくした。『よし、がんばろう』と決意をするのだがその意志を表示することが出来ずだまってうつむいている。
「このまま、一生を男に怯えながら過ごすつもりですか。この世の半分は男です。学校、職場、病院、映画館などなど何処に行っても必ず男は存在しますよ」
そんなことは恵は身にしみて分っている。恵はここ何年も明るい気持ちになった事がない。何処にいても男性への恐怖が影のように付きまとっているからだ。自分自身が一番この男性に対する恐怖心を取り除きたいと思っている。
「これは自分との戦いです。がんばろうね」大輔は優しく問いを投げた。
「…………ハイ」恵はコクリとうなずいた。
「それじゃその服を脱いでそこに座って下さい」大輔は無機質に要求した。
恵は全身から血の気がひいていくのを覚えた。『治りたい』『いや恥ずかしい』『がんばれ』など様々な会話が恵の頭の中で交わされている。
「何をしてるのですか、辛い治療と言ったでしょう。手遅れになっても良いのかい」大輔は嫌ならやめてしまっても良いという感じで冷たく言い捨てた。
恵は必死に混乱した頭を整頓して治療に必要だから服を脱ぐのだ、これはごく自然のことなのだと意を決した。出来るだけさらりと脱いでしまおう、変にためらった方が別の意味合いを醸すことになってしまう。まずスカートに手をかけストーンと足元にスカートを落下させた。丈の短い白いブラウスはおへそぐらいまでしかなく白のショーツが全貌を現す。さすが超一級の美少女が身につけている物だけある。少し光沢のある材質が小学生のそれには似つかわしくない高級感を発し、中央上部のリボンが愛らしいオシャレなショーツである。大輔は恵が何故スカートから脱ぎ始めたのかいぶかしく思った。本来なるべくいやらしくないようにしようと思えば上から脱いでいくのがノーマルであろう。しかし恵はわざわざ自分から最もエロチックな選択をしているのだ。恵は内心顔が熱くほてるぼど恥ずかしいのだが出来る限り無表情で事務的にテキパキとブラウスのボタンを外していった。それが最も恥ずかしさを少なめる方法であると思ったからだ。ブラウスを脱ぐとショーツとキャミソールのみの姿になる。恵はさっきのスカートを拾い上げブラウスと一緒にたたんで机の上に置いた。恵のその所作は体躯から比してかなり長めのすらりと伸びた手足をたおやかに動作させエレガントその物であった。恵はためらいもなくキャミソールをバンザイをするように脱ぎ捨てた。落ち着いた様子で裏返しになったキャミソールを元に戻しそれを二つに折りブラウスの上に重ねて大輔の方に視線をやる。その瞳は凛として気高い。
恵は、ショーツとソックスだけの姿で胸を隠すように胸の前で両腕を交差させて立っている。恵はさっきまで吐き気を催すほど恐怖していた自分がすんなりと服を脱ぎ捨て、しかもこんなに落ち着いているのに驚いていた。もしかするとすでに男性恐怖症が治り始めているのではないかと思えるほどであった。この土壇場での恵の開き直りがインチキ療法士大輔の信用をさらに高めるのに大いに役立った。恵はすっかり大輔の治療にこの身をゆだねようと決心をかためてしまった。ただの飴玉でも偉い医者が薬だと言って与えると患者の病気が治ってしまう事があるように、恵の信頼を勝ち取った大輔のインチキ治療はこの後次から次へと功を奏していく。
「よくがんばったね、さぁそこに腰掛けて」
大輔はやさしくベットに腰掛けるように促す。
恵は言われるままにベットの端に腰掛けてうつむいたまま、まだ青ざめた顔をしている。
大輔はすぐその左横に並んで腰掛け、舐めるように恵の裸を鑑賞する。八頭身の体躯はまだ平均的小学六年生の発育状態そのものであって、乳房と言うにはまだおこがましい程のわずかな膨らみは、その先に向かいやや尖った感じで起伏している。乳輪は幾らかの存在感を示しているが乳首は米粒ほどでまだ子供その物である。大輔は遠慮なく耳たぶ、髪のはえぎわ、背中のウブ毛など恵のあらゆるところに視線を向けた。
「み、見ないで下さい」
恵は恥ずかしさのあまり、およそ治療行為とは、思えない大輔の視線に抗議した。しかも恵は明確に意思表示をしている自分に驚いた。
「うそだ、君は本当はもっと見てもらいたいはずだ。まだ気づいてない君の心の底でもっと見てほしいと思っているはずだ。君はとても綺麗じゃないか、自分でもそれに気づいてるはずだ。男の視線が怖いと言うのは、そんな過剰な自意識が引き起こしているんだ」
「違います、そんなことありません」
「本当の自分に目を向けるんだ。さっきの服を着ている君と比べ今服を脱ぎ捨てた君はもうそんなに強くなっているじゃないか。君はその体をさらすことで勇気を身につけたんだ」
言われてみるとそうである。思い切って服を脱いでいった時から何かが変わっていったのは自認できる。
「自分に正直になるんだ。本当の自分を知るんだ。さあこの美しい私の体をもっと見てくださいと言ってごらん」
「できません」
心では素直に大輔の治療方針に従おうと思うのだが踏ん切りがつかない。
「勘違いしてはいけないよ。君を苛めてるわけじゃないんだよ。これは治療なんだ。素直に応じてくれないと治るものも治らないよ。さあまず言葉に出すんだ」
そう言われると、恵にこんなみだらな事を言う理由が出来た。『良くなるためなんだ、これは治療なんだ』と自分に言い聞かせ
「さあこの美しい私の体をもっと見てください」
恵は蚊のなくような弱々しい声で言ってみた。
「だめ、もう一度もっと大きな声で」
大輔は体育教師のように言い放つ
「さあこの美しい私の体をもっと見てください」
「もっとはっきりと」
さっきよりしっかりと言えたがまだ合格でないようだ。
「さあこの美しい私の体をもっと見てください」
恵は開き直ったように腹から声を出した。自分でも驚く程はっきりと言葉を発する事が出来た。こんな恥ずかしいセリフなのにいざ言ってみると不思議と自身の内側から爽快感が沸きあがってくるのに気づいた。恵は大輔の治療は本物だと確信した。
「うん、いいよ。そのくらい強く心の中で自分に言い聞かせるように言ってごらん」
『さあこの美しい私の体をもっと見てください』
恵は心の中で何度も呪文のように唱えた。さすがに元アイドルを母に持つだけの事はあり、一旦見られる事を受け入れるとさっきまで不愉快でしかたなかった大輔のいやらしい視線がむしろ心地よくさえもなってきた。
『さあこの美しい私の体をもっと見てください』恵は心底からそう思い始めた。
大輔は恵の変化を確認すると恵の長いストレートの髪を一つにたばね右肩の前に垂らした。あらわになった背中を病人でも介抱するように優しくさする。そうされると恵は熱い何かが体から沸きあがるような不思議な感覚に戸惑っていた。
「どう少し落ち着いた見たいだね。男は女の敵じゃないし、女も男の敵じゃないんだよ」
「はい、少し自信がつきました」
大輔は手の平をわき腹まで伸ばし抱き寄せるように上下に撫ぜ上げはじめる。丁寧でゆっくりとした動きで触れるか触れない程度のタッチで背中やわき腹を撫ぜまわす。
「いや、だめです」恵は小さな息だけのような声でささやく。
「君は表面では男を恐怖し拒否しているが内面では男を求めているはずだ」
「うそです。そんなはずありません。自分のことは自分が一番よく知ってます」
大輔は会話を交わしながらさらにおへそのあたりまで愛撫を進出させ少女の肌の感触を堪能している。恵の方も口では否定したものの、体の芯から沸き起こる心地良さにすっかり浸っていた。
「自分に正直になるんだ。君くらいの年頃の女の子が男を意識して男を求めるのは自然なことなんだよ」
恵は大義名分がないとハードルを越せないタイプの人間であることをすでに読み取った大輔は、恵の行動にひとつひとつ理由付けをして行く。
「君は一生自然の摂理に逆らっていくのか。これでは治るものも治らないよ」
治療と言われると恵には返す言葉がない。
大輔は恵の横から真後ろに移動し、調度連なって滑り台を滑る時の様な姿勢になり、後ろから両手を廻し上体を密着させ、さっきの調子で愛撫を続ける。恵の方も張りつめていた糸が切れてしまったように椅子の背もたれにもたれかかるように大輔の胸板に体重をあずけている。恵は心の中で快感に沈んでいく自分に『これは治療なんだから』と弁解している。
大輔の手はやがて胸の膨らみに達した。恵は『やっと来てくれた』と小さく歓喜した。さっきからの丁寧で入念な愛撫はじらすように胸を避けていた。小学生の女の子でもその場所が今まで以上の快感をもたらしてくれる事は本能的に知っていた。大輔は親指と人差し指の腹を使い二つの小山を頂上に向かってしぼり上げるように揉みつぶす。先端のわずかな突起に到着するとそれをつまみ前方に引っ張ったり、よじったりする。
「はぁーうん」
恵は込み上げてくる快感に抗する事が出来ず思わず体をくねらせ吐息を漏らす。
なおも続く執拗な愛撫に恵は大輔の肩に後頭部をのせるようにし、天井を向いて息を大きくはずませている。大輔は恵の陥落を確信した。
「どうだい、男っていいものだろう?」
大輔は優しく問いかけた。
恵は大輔の言い方が意地悪く感じられたし、何より図星をつかれたのが悔しくて
「うそです。そんなことはありません」
少し強く反抗した。
「君はまだそんな事を言ってるのか?一体病気を治す気があるのかい」
子供のかわいい反抗と分っていたが、大輔は語気を荒げた。体制をベットの中央にずらしあぐらをかいた。その膝の上に恵を抱き寄せると自身に対して横向きにダッコした。
「キャッツ」
声をあげた恵の口に親指と人差し指を差し入れ舌ベロをつまみあげた。
「この舌がそんな事言うんだな。悪い舌だ」
舌を引っ張ったりねじったり左右に振ったりいいように恵の口腔をもてあそぶ
「あぁあぁれええええろぉおお」
恵は美しい顔を歪がませ、よだれをたらしながら言葉にならない声をあげる。
しかし大輔には虐待の意図はなくただ少し脅かしてやろうと荒っぽい事をしただけで、その手つきは次第に優しい愛撫に変わって行った。指で歯磨きをするように前歯や歯茎や奥歯の裏側をなぞる。恵にも一瞬恐怖が走ったがむしろその恐怖が先行投資となり、すぐにより大きな悦楽となり恵をとろけさせた。恵は自らの口の中に妖しくうごめく指を歓待するかのようにその指に舌を絡ませてしまっている。大輔は喜悦の表情を浮かべ、あの清楚で大人しい恵がみだらに振舞っている様子を意外感を持ちながら見おろしている。
「めぐみちゃんちょっとベェーしてみて」いつしか大輔はめぐみちゃんと呼ぶようになっていた。
最初は細波のようだった快感は的確にこうじられる大輔の行為により徐々にうねりを増していき津波となり恵を飲み込んでいた。『今度は一体どんな方法で恵を悦ばせてくれるの』と大輔の次の一手を期待していた恵は、何の疑いもなく進んで舌を突き出した。大輔はその舌先に吸い付きながら唇を重ねた。
『エッ、これってキスなの』恵はショックで体からヘナヘナと力が抜けて行くのを感じた。ファーストキスはもっとロマンティックなものだと夢見ていた女の子の夢は無残に打ち砕かれた。しかしファーストキスを不本意な形で奪われ失意の中にいるはずの恵はその傷心と矛盾して大輔の舌に自らの舌をからませ、逆に大輔の口に吸い付いて、注ぎ込まれる唾液を味わってしまっている。
大輔の唇はやがて恵の口から放れて首筋を下りはじめた。恵は口のまわりを大輔の唾液でテラテラと光らせながらうっとりと目を閉じ、大輔の唇の行方に意識を集中させている。大輔が恵を寝かせながら胸の膨らみに吸い付くとそのわずかな膨らみの全容がスッポリと口におさまってしまう。舌先で転がされて堅くしこりはじめた乳首に歯を立てて軽く噛むと、恵は体をねじるようにもだえて
「あん、あん、あん…………」
リズミカルに喘ぎ声を発し大輔の手をギュット握り締める。
大輔は体をねじる恵の動きに合わせ、恵をうつ伏せに押さえ込み、柔道の寝技のように体を密着させ背骨に沿ってチュツ、チュツとキスをしながら下半身に向かっていく。恵はその全身が触れられるだけで感じてしまうほど過敏になっているため大輔のキスにあわせてビクン、ビクンと体をのけぞらせた。
この時大輔は起用に服を脱ぎ捨てて全裸になっていたが、うつ伏せの恵には知るよしもなかった。大輔はキスを腰骨へと進めると最後の砦であるショーツをさっと膝のあたりまで下ろした。大輔のキスからはじまった一連の動作は流れるようによどみなく進行し、恵に間断なく快感をもたらせていた。恵はついに全裸になってしまったのだがもうそんな事どうでも良くなってしまうほど理性は快感に支配されていた。
大輔はあらわになった白く形のいい尻の肉を指て押し広げこの美少女に最も似つかわしくない排泄器に口をつけた。
「ひぃー、いやー、やめて」
恵は最も恥ずかしい部分をなめられて悲鳴をあげ、蛇のように体をくねらせ必死に逃れようとする。大輔は恵を逃さないよう尻の肉を掴みその動きを封じ、舌先を尖らせ排泄器にねじりこむ。
「あーだめぇー、だめぇー、だめぇー……」
恵は手足をバタつかせ必死に大輔の行為を妨害する。
そんな恵をよそに大輔は排泄器に唾液を流し込み、そのしわに沿って舐め上げ、息をふきかけたりする。恵の抵抗はそう長くは続かなかった。
「はーん、だめぇ、だめぇ……」
口では抵抗を示すが恵の言質はあきらかに変化し始めていた。むしろ大輔の動きをアシストするように尻を突き上げ始めるようになっていた。大輔はなおも行為をエスカレートさせ唾液によってぬるぬるになった排泄器に親指をグイグイと押し付けた。潤滑性が大きく増していた排泄器に親指の先が沈む。
「うぐぐぐぐぅ……」
恵は何が起こったのか分らなかった。お尻に指が入って来た自覚はない。ただ電気が背骨を貫き全身をしびれさせた。
大輔は第一間接まで挿入すると優しく回転させた。
「あっあっあっ…あっあっあっ」
恵は大輔の親指を中心にして小さなお尻で円を描いていた。恵は心ではこんなエッチな振る舞いをしてはいけないと思うのだが体は何故だか正反対の応対をしてしまっている。
「あっあっあっ…あっあっあっ」
恵は貪欲に快感を求めてお尻を回転させている。恵は何故こんなに感じてしまってるのかその真相に全く気づかずに自身の股間を発信源に熱い物が全身に伝わって来ることに歓喜していた。大輔がさらに親指を小刻みに振動させると恵はみるみると気が遠くなっていく。
「あーん、あーん、あっあっああああーーーーー」
恵は絶頂に到達した。もう数十分間も執拗で入念な愛撫を受けていたのだから無理もない。恵は大きく肩で息をして余韻に浸っていた。自分がお尻でイってしまったとは夢にも思っていない。
大輔は恵を仰向けに寝かせ直した。恵の両足をひろげ陰部のスリットをめくり上げるようにひろげた。ピンク色の内壁は透明な液体に満たされてすでに受け入れ態勢はすっかり整っていた。
恵は大輔の指が自身の性器を点検しているのを知ると『私の胸を背中をお尻を溶かしたあの優しい指が、あのなまめかしい舌が自身の最も鋭敏な部分をかわいがってくれるんだ』と小さな胸を膨らませていた。
恵はここではじめて大輔が全裸なのに気づいた。『男の人のアレってあんなに大きくなるんだ』そのシンボルが怒張し反りあがっているのに驚愕したが不思議と嫌悪感や拒否感はなかった。恵は、すでに大輔に対しての恐怖心はなくなりその代わりにある種のシンパシーのようなものが芽生えているのに気づいていた。もっと言うとこれだけの悦楽をもたらしてくれ且つ男性恐怖症を治してくれた大輔を受け入れるべきだとも思っていた。恵はもう後戻りや迷いはしないと決意した。
しかし恵の期待どおりには行かなかった。大輔は自身のペニスを恵のスリットに押し付けている
「いやーん、もっと舐めてくれてからにして」
恵は動揺から思わず本音を漏らしてしまい両手で顔を覆った。恵にすればやられてしまう覚悟はしたが当然その前にさっきよりもっとネットリとした性戯を自分の一番感じる部分にほどこしてもらえるものと思っていた。
大輔は恵の要求を無視し、腰を進めた。十分に潤っていた恵の性器は大輔の亀頭をすんなり飲み込んだ。
「あうーん、あうーうーん」
恵は自分のなかに男性器が入り込んで来たことを悟り体を緊張させた。
大輔はなおも腰をすすめるが障害物にぶち当たったような抵抗感を覚えた。大輔はそれを貫こうと大きく強く腰を運動させる。
「イッイッイターイ、イッイッイターイ」
恵の下腹部に鈍痛が走り恵は顔を歪めて悲鳴をあげる。
まるでハンマーで地面に杭を打ちつけるように大輔は力強くペニスを恵に突き刺す。
「ヒッヒッヒッヒッヒッ……」
恵は目を堅く閉じ眉間にしわを寄せ右を向いたかと思うと左を向いてまた右を向き苦悶している。
大輔は容赦なく腰をズシンズシンと進める。一体何十回突かれただろうか、恵が半分気を失いかけた頃に大輔の亀頭が終着点に達した。大輔はさっきの激しい運動からギアチェンジして今度は出来るだけ慎重にゆっくりゆっくりとペニスを引き抜く。亀頭が股間に顔をのぞかせるまで引き抜くと再びナメクジが這うようにゆっくりと腰をすすめる。大輔は気が遠くなるほどのスローペースで往復運動を繰り返す。
「はーん、はーん、はーん」
さっきまで苦痛で歪んでいた恵の表情が徐々にとろけはじめ、息づかいも甘ったるいものに変化していった。
大輔は往復運動を少し早めながら恵を見つめる。その未発達な上体を弓反らせ大きな切れ長の瞳を潤ませうっとりと天井を見つめている美少女。この街一番の貴種であるあの高貴なご令嬢がこんなにエッチだとは……
「めぐみちゃん僕の首に手をまわして」さすがに疲れた大輔は少し休む事にした。
「はぁーい」
恵はかわいく返事をして言われるようにした。
大輔はそのまま上体を起こし、正面座位の姿勢を経由して、仰向けに寝てしまった。恵は大輔の顔の横に両手をつき大輔に覆い被さる姿勢になるがどうして良いか分らない。
「今度はめぐみちゃんががんばって」
「えーわかんないよー」
「めぐみちゃんが気持ち良いように動いてごらん」
しかたなく恵は大輔の上に覆い被さったまま前後に動いてみた。恵は自分が気持ちよくなることよりも大輔にこれまでの快感のお返しをしてあげなくてはと必死であった。
「めぐみちゃん、背筋を伸ばして正座をするように体を起こしてごらん」大輔は騎乗位を教える。
「あーん気持ちいい」
恵は上体を起こし背筋を伸ばすと調度いい角度で大輔のペニスが坪に当たって思わず声をだした。
「さぁ好きなように動いてごらん」
恵はおそるおそる大輔の胸に手をおき小刻みに跳ね上がる。恵は下腹部から熱いマグマのような塊が噴出するような感覚を覚えた。
「イッイッイッイッイ……」
恵は小刻みなジャンプに合わせて声を上げる。何とか大輔を気持ち良くしてあげなくては、私だけ気持ちよくなっていては申し訳ないと一生懸命腰を振った。
「気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい」
恵は大輔を悦ばせようと頑張れば頑張るほど快感の波が押し寄せその全身をとろけさせてしまう。そんな恵を下から仰ぎみて大輔は大いに満足していた。二人が結合された部分から真っ赤な鮮血がペニスをつたってたれていたが、それに混じり白濁した愛液が流れ始め赤と白は混じりあい苺ミルクのように美味しそうに見えてきた。
十分にリフレッシュした大輔は体を起こし正面座位の体位をとると恵の方から唇を合わせ舌を入れてきた。恵は両手を大輔の背中にまきつけ大輔の動きにテンポをあわせ腰を振っている。学問、芸術、スポーツなどのどの世界にも天才少年少女が存在して大人顔負けの技巧や才能を見せ周囲の人間を感心させるが、恵はエッチの天才かもしれないと思えた。これまでに数回体位変換し激しく腰を振ったにもかかわらず、一度もその小さな性器から大輔のペニスをこぼさずいる。しかもこの感度の良さはとてもはじめてエッチした小学生の女の子とは思えない。
大輔は恵が抱きついたまま押し倒し正常位で機関銃のように腰を突き上げだした。
「ああああああああああうーーーーーーー」
恵は大輔にギュッと腕を巻きつけ足を腰にまわしコアラのように大輔にしがみついている。
なおも早く激しいピストン運動は繰り返される。
「あひぃーーーーああああああーーーー」
ついに大輔は恵の中に精液をぶちまけた。その射精は終わらないのではないかと思うほど長く続いた。さっきまでの恵の喘ぎ声やベットのきしむ音がウソのように静寂が部屋を包みこんでいる。大輔はやっと脈動を終えたペニスを引き抜き恵を見た。
恵はぐったりと体を横たえビクンビクンと小刻みに体を痙攣させ大きくお腹で息をしている。Mの字に開いた足の中心は一センチ程口を開けたまま注ぎ込まれた精液をダラダラと溢れ出させていた。大輔はすっかり萎えたペニスを恵の口のあたりに持って行った。恵はそれに気づくと誰に教えられた訳でもないが大輔のペニスの先に口をつけ尿道に残っていた精液を右手で搾りあげながら残らず吸い取った。
つづく
…………かもしれない。