「『隠す』  1.バイブを隠す」  いまーむ



「♪〜〜………」

 鼻歌交じりのスキップで廊下を歩く葉名美(はなみ)ちゃん。

「♪〜〜、♪〜〜〜〜………」

 しかし、その鼻歌はとても静かで、厚手の靴下のおかげで足音もほとんどしません。

 音をたてない。これは、重要なことです。
 なぜなら今、彼女は『隠密行動中』だから。
 それでも思わず鼻歌を奏でてしまうのは、彼女が『どきどきわくわく』してるから。

「♪〜〜〜、♪〜〜………、っと」

 葉名美ちゃんは廊下の突き当りまで行くと、右に転身。目の前には、木のドアがあります。
 ドアには、『幹夫の部屋 ノックすること』と描かれた木のプレートが画鋲で貼ってあります。

  コンコン。

 プレートの指示どおり、葉名美ちゃんはそのドアをノックします。

「幹夫お兄ちゃーん、いるー?」

 抑えた声で、でもドアの向こうには確実に伝わるように、はきはきとした声で葉名美ちゃんは呼びかけます。

 ……しばしの間の後。

  コンコンコン。

「幹夫お兄ちゃーん、いるのぉー?」

 ……無音のまま、しばしの間。

「…………」

「……くふふー、お兄ちゃん、いないのねー」

 がちゃっ!

 葉名美ちゃんはドアを開けました。

 ドアの向こうは、葉名美ちゃんのお兄ちゃん、幹夫の部屋です。小奇麗に教科書類が積んである机、青系統の色に統一されたベッド、東向きの小さな窓。葉名美ちゃんの思ったとおり、部屋の中には誰もいなくて、真っ暗でした。

 葉名美ちゃんは、ドアのそばにあるスイッチをパチンと入れます。蛍光灯がつき、見慣れた『お兄ちゃんの部屋』に足を踏み入れました。
 ぱたぱたぱた、と静かな駆け足で素早く『お兄ちゃん』の机に忍び寄ります。

「……えーと、確か、上から3番目の引き出し……ここだ」

 がららっ。机の右側に備え付けの引き出し、その上から3番目を開けました。

「……くふふー、まだあるまだある。お兄ちゃん、気づいてないのね」

 葉名美ちゃんは、その引き出しの内容物を見て、満足げな笑みを浮かべました。

 なんと無用心なことでしょう。引き出しの中には、いわゆる『えろ本』がその裸体を表にして据え置かれていたのです。表紙がボロボロで、所々折れ目がついていたり破れていたりするところを見ると、ずいぶん使い古しているように見えます。もちろん、幹夫の引き出しに入っているその『えろ本』は幹夫の所有物に違いありません。

 葉名美ちゃんはその本を取り出し、自分が身を包んでいる緑色のセーターの下に、さっと仕舞い込みます。

「ふふふっ、今日も使っちゃおーっと」

 ……葉名美ちゃんは、最近『おなにー』を覚えました。
 葉名美ちゃんは小学5年生。もはや、性に興味を持ち始めてもおかしい年齢ではありませんね。
 以前、そんな折に『探検』と称して幹夫の部屋に忍び込んだ時に、葉名美ちゃんは幹夫が中途半端な場所に隠していた『えろ本』を見つけ、読んでしまいます。そして、『えろ本』を読みながらおなにーするととても興奮して、気持ちいいことを覚えてしまいました。
 それ以来葉名美ちゃんは、幹夫がいないときには彼の部屋から『えろ本』を拝借し、それを見ながらおなにーするようになったのです。もちろん、終わったあとは幹夫が帰ってくる前にそれを部屋の定位置に戻すことも忘れません。

 ……同じ本が、ずっと同じ場所に隠されているのを見ると、どうやら幹夫は葉名美ちゃんが自分の本を読んでいることに気づいていないのでしょう。もしくは、その本のこと自体を忘れているのかも……。

 さて、本を獲得し、あとは部屋を出るだけの葉名美ちゃん。しかしここで、引き出しにまだ何か入っていることに気づきます。

「……あれ? こんなの、今まで入ってたっけ?」

 引き出しの奥に、ピンク色の棒が転がっているのを、葉名美ちゃんは見つけました。手を伸ばし、それも取ります。

「…あれれ? ま、まさか、これって……」

 取ってみると、それは長さ15cmくらい、太さは直径2cmくらいの、細い樹脂製の棒でした。
 端っこ3cmくらいを除いて、その棒はぽこぽこと節くれだっています。弾力性があり、容易にくねくねと曲げることが出来ます。先端は丸く、もう一方の平らになっている先端には何かスイッチがついています。
 ……そう、これは間違いなく、

「これ……、ば、ばいぶ?」

 ご名答。バイブレーターです。
 そのバイブレーターは樹脂製ですが、少し表面が曇っていて、つやがありません。どう見ても新品には見えませんね。幹夫が、友達か誰かから借りてきたものと考えるのが妥当でしょう。
 もっとも、『なぜ男の子の部屋にバイブがあるのか』について疑問ももつべきでしょうが、葉名美ちゃんはそこまで考えが至りませんでした。

「……や、やったー! いいモノ見つけちゃたー!」

 ぴょんっ、と大きく1回跳ねると、葉名美ちゃんはそれもお気に入りのセーターの中に仕舞い、引き出しを閉めると部屋を飛び出しました。


 自分の部屋に戻ると、葉名美ちゃんはセーターの中身をベッドの上に取り出します。そして、スカートの中身も……履いていた下着も脱いで、床にぽいっと捨てました。さっそく、おなにーを始める気です。

「……んふふー、ばいぶだばいぶだー。これ使うと気持ちいいのよねー」
 おどけた口調で葉名美ちゃんは、グロテスクなピンクの棒に語りかけます。

 もちろん、彼女はバイブなんて一度も使ったことがありません。
 でも、本の中で見た金髪の外人が、太くて長いバイブを根っこまで咥え込んで、涎を垂らして悦び悶えている様子を、葉名美ちゃんは覚えています。

 葉名美ちゃんはベッドの上に乗ると、枕を座布団にして座り、スカートを捲り上げて股を開きました。脚と脚の付け根に、無毛の幼い割れ目が顔を覗かせています。

「……うはぁ……どんどん、開いてきてるんだ……」

 顎を引いて自分の秘部に見入る葉名美ちゃんは、嘆息します。数ヶ月前『おなにー』を始めた頃は、自分の『女の子な部分』はただの一本線でした。それが、毎日いじっていじっていじりまくってきた今では、写真に載ってる女性(無修正)のように、花びらみたいに開いてきているのです。ごくわずかに、ですが。

「……これ……いれたら、もっと開いちゃうのかな……」

 右手に優しく握ったバイブを見つめます。本で見たのよりもずっと細いバイブ。まだ小学生の葉名美ちゃんには、このくらいがちょうどいいハズ。同じように彼女も考えているようです。

 ……ひとつ、重要なことを忘れているようですが。

「…………いれちゃお」

 決心をつけたように呟くと、葉名美ちゃんはそれを口に含みました。幼さゆえ、葉名美ちゃんはほとんど濡れることが出来ません。それではバイブを入れるときに痛そうだ、ということは彼女にも察しがついたようで、充分に唾液で湿らせてから入れることにしたのです。

 ……ひとつ、とても重要なことを忘れているようですが。

 ぺちゃ、ぺちゃ、と唾液をのせた舌でバイブを満遍なく濡らしてゆきます。時々先端から咥え込みます。もちろん、全部は口に入りきらないので、半分くらい飲み込んだところで、ちゅ、ちゅ、とその身体を吸いたてます。まるでキャンディを舐めるように、丹念に、丹念に、隅々まで舐めます。それだけで、葉名美ちゃんは興奮してきました。

 実は、そのバイブは――葉名美ちゃんが本で見たバイブはすべて女体に半身以上を埋め込まれているので、知らなかったのですが――、普通のとは違って男の人の性器を模した形をしては『いませんでした』。まるで、いくつかのボールを溶かして一列にくっつけたような、出来そこないの串団子のような格好をしていたのです。

 もちろん、そんな違和感に気づくはずもなく、葉名美ちゃんはそのバイブを舐め終わりました。口に残った唾液をこくん、と飲み込み、

「……んん……おいしい……」

 樹脂がおいしいはずはありません。しかし葉名美ちゃんは、まるで本の中の女優さんになったようなシチュエーションに、酔っていたのです。顔は真っ赤に火照り、お○んこも――どろどろではありませんが――少し湿り気を帯びていました。

 唾液でべちゃべちゃになったピンク色のそれを、震える手で下腹部まで持っていきます。先端を少し割れ目に挟んだ所で、葉名美ちゃんは手を持ち替えました。手のひらを、バイブの平らな末端に押し当てます。

「……確か、一気に押し込んだ方が、気持ちいいって……あの本の、小説の所に書いてあったよね」

 まあ、そのとおりですね。
 ……彼女は非常に重要なことを忘れているようですが……いえ、彼女は本当に『知らない』ようです。

 葉名美ちゃんは、バイブのスイッチを入れました。ぶぅーーーん、と空気を震わせるような音がします。同時に、お○んこのあたりからぞわぞわっ、と不思議な感じがゆっくり広がり始めました。

「あんっ…………、く、くぅ……いい、いいよ……これ……」

 バイブの動きはただ震えるだけで、頭がくねくね動いたりはしませんでした。でも、割れ目の柔肉、包皮に包まれたままの陰核、そして奥のほうに鎮座する臓器たちを一まとめにして揺るがすその震動は、葉名美ちゃんにとって十分すぎる刺激です。

 割れ目の向こうに確かにある、さや状の臓器。葉名美ちゃんに『それを早く入れてくれっ!』と哀願するがごとく、ふにふにと蠢いています。

「……い、入れ……よ……」

 バイブを支える手。膣穴に押し付けるように徐々に力を入れていきます。

「んぁ……」

  つぴゅん。

 節の1つが沈み込んだあたりで手を止めました。……この辺の浅さまでは、自分の指でほじった事が何度もあります。
 すぅ、はぁ、と一回深呼吸します。そして、葉名美ちゃんはその小さな手に、一気に全力をかけました!

  ぐううぅぅっ!

「あぐっ……く……くぅーーーーーっ……くはあっ!!」
 みしみし、と何かが裂けるような未知の感覚が身体の真ん中を突き抜けました。
 容赦なく突き立てられたバイブに、いままで固く閉ざされていた隙間が侵されていきます。
 その存在すら感じたことのなかったヴァギナという臓器の、形や柔らかさ、襞の位置や重なり具合まで、瞬時に脳内に流れ込んでゆきます。侵入警報が鳴り響くように、それらの全てがびりびりと痙攣しています。あわせて、腰までガクガクし始めました。

  ずぶ……ずりゅずりゅずりゅ……つん。

「ふあぁぁ……っ!」
 やがて、乱暴に押し込んでいたバイブに手ごたえを感じました。どうやら行き止まりのようです。お腹の中の先端も、壁のようなものをつんつんと突くのを感じます。割れ目からは、バイブの末端ほんの3cmだけが飛び出しています。
「あ…………あぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…………は、入っちゃ……った……あ、あぁぁぁぁあああぁぁっ!」
 挿入時の衝撃が下腹部からベッドに流れてゆき、潮が引くように快感が薄れてゆくと、間を置かずに葉名美ちゃんを襲ってきたのは、バイブの強烈な震動と……、膣の中ほどからほとばしる、刺すような痛みでした。同時に襲いかかる不可解な感覚の波に葉名美ちゃんはビクビクッと痙攣し、たまらず上体をのけぞらせて、ぼふん、とベッドに沈みました。
「あ……ああぁぁぁぁぁぁ……な、何で……い、痛い……痛いよぉ……」
 眼が精気を失って開きっぱなしになり、口も閉じなくなって涎が垂れてゆきます。

 ……実は彼女、偏った知識だけ持ち合わせていたので、『女の子には処女膜がある』ということを知らなかったのです。
 今までバイブはおろか、指さえもまともに入れたことのない葉名美ちゃんの性器。処女膜が健在だったのは言うまでもありません。
 こともあろうに葉名美ちゃんは、知らないうちに、女の子の最も大事なヴァージンをバイブレーターに捧げてしまったのです……。

  ぶぅーーーん、ぶぅーーーん。

 しばらく、葉名美ちゃんの部屋の中にはバイブの作動音だけが響いていました。葉名美ちゃんはベッドの上でM字に脚を開いたまま、気絶したように動かなくなりました。ただ、お○んこを覆うように添えられた手が、バイブの細かな震動と、膣の大きな痙攣を感じています。
「……うぅ……い、痛み……引いてきた……かな……」
 蚊の鳴くような声で呟き、葉名美ちゃんは上体をむくりと起こしました。かくかくと震える下腹部を、添えていた手をはずして覗き込みます。
 柔らかいスリットのお肉が掻き分けられて、ぴょこっとバイブの末端が顔を見せています。そして、その下の方から何かが流れ出ています……。
「……えっ!? な、何で!? ……ち、ち、血が……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 とくっ、とくっ。バイブが膣の蠢きに合わせて震えるたび、穴の隙間から鮮血が噴き出しています。

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ………………きゃ、きゃ、きゃあああああぁぁあぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁああぁあぁーーーーーっ!!!!」
 葉名美ちゃんは思わず、奇声を上げて再び固まってしまいました。

 ――十数秒後。

 どたどたどた。
 階段を駆け上がってくる足音に、葉名美ちゃんは我に返りました。
 はっとして、バイブの刺さっている恥ずかしい部分を隠すべく布団に手をかけました。

「は、葉名美っ! どうした!」

 ばんっ、と扉を開いて幹夫が部屋に入ってくるのと、葉名美ちゃんが布団を被るのと、ほぼ同時でした。
 どうやら、葉名美ちゃんの『お兄ちゃん』である幹夫は、家にいなかったわけではないようです。

「……お、お兄ちゃん……」
 ふわふわの掛け布団からおでこと眼だけを出して、自室に入ってきたお兄ちゃんを見つめます。
「なんか、悲鳴が聞こえたけど……葉名美、どうしたんだ!?」

 ちくちくと痛むお○んこを布団の中で押さえて、葉名美ちゃんはなるたけ普通に聞こえる声で喋ります。

「あ、いや……さ、さっきさ、ゴキブリが出てきてさ……」
「ゴキブリ?」
「う、うん。もういないから……ご、ごめんね、ビックリさせて……」
「……そ、そうか」

 葉名美ちゃんは、力無い声であはははと笑います。
 幹夫も、乾いた声で笑います。

 そうして、しばしの間……。

「……ん?」

 幹夫が、何かに気づいたようです。

「なんか、ぶーん、って音がしないか?」
「えっ!?」

 ちりり……と、葉名美ちゃんの背骨に冷気が刺さります。
 恥骨から全身に響き渡る、いやらしいモーター音。それは、幹夫にも聞こえていました。

「何だろう。ケータイのマナーモードって、こんな音……でも、葉名美は携帯なんて持ってないよな」
「う、うん。な、何だろうねぇ……。蚊でもいるのかな?」
「蚊? こんな冬に蚊なんているわけ…………あっ」

 幹夫、勘付きました。

「葉名美、布団から出て立ってみなよ」
「……えっ!? な、何で?」
「いいから」
「や、やだよ……、さ、寒いよ……」
「すぐ終わるから、ほら、立って」

 幹夫は、自分の引き出しにバイブを入れているのを知っています。……当たり前ですね。そして、バイブの作動音が、このような蚊の羽音に似ていることも知っています。
 その音が、この部屋で聞こえる。疑わないわけには行きません。

 葉名美ちゃん、このまま言うことを聞かず、布団に入ったままではさらに疑われてしまいます。今お兄ちゃんが部屋に戻って、自分の引き出しを点検したらもう、一巻の終わりです。
 この家には、葉名美ちゃんと大学生の幹夫、そして社会人の姉との3人で暮らしていますが、姉は『よるのおしごと』なので今は家にいないのです。幹夫の本を『隠れて』読む人物は、葉名美ちゃんだけなのです。

 お兄ちゃんの大事な本とバイブを無断で使用。変態に思われるならまだしも、最悪、お兄ちゃんに嫌われてしまうかもしれません。

 さて……。

 葉名美ちゃんは、お○んこにあてがった手に少し力を入れます。
「んく……っ」
 ずるっ。バイブの震動でほぐれたのでしょう。膣穴に、バイブがほぼ完全に入りきってしまいました。きゅうーーーっ、とヴァギナがバイブを締め付けて離さないのが、良く判ります。これなら、立っても滑り落ちてこないかもしれません。

「ん? どうした、葉名美。早く立つんだ」
「……判ってるよぉ……。立つよ、立てばいーんでしょ、お兄ちゃん…」

 お○んこから手を離し、よいしょ、とベッドから這い出ました。震える脚でそのまま敷布団の上に立ち上がります。
 しわになったスカートをぽんぽんと払って、ちょっと高い位置から幹夫を睨みます。

「ほら、立ったよ……」
「む……」

 バイブを刺したままで起立するのは、思った以上にしんどいようです。
 ぎゅうっ、と締め付けて安定しているように思える挿入物も、その重みと、ゆっくりながらも確実に染み出していた愛液によって、徐々に下がってきています。
 葉名美ちゃんは、
(くぅ〜っ、お兄ちゃん、早く出てってよぉ〜)
 お兄ちゃんが一刻も早く自室を出て行ってくれることを願うばかりで、自分の膝が内側に曲がり、見るからにカクカクと揺れて非常に恥ずかしい格好になっていることに、気づかないでいるのでした。

 そんな妹が『確実に何かを隠している』と気づき、怪しんでいるお兄ちゃんは、なかなか部屋を立ち去ろうとしません。

  ずる……っ、ずるる……っ。

「ひうっ……」
「……どうしたんだよ、葉名美。変だぞ?」
「ふ……っ、な、なんでもないよっ! は、早く出て行ってよ!」

 ずり下がって来る異物は、ゆっくりとしっかりと葉名美ちゃんのお○んこに微電流を流します。膝と膝はぴったりと合わさり、かちかちと大腿骨を震わせます。葉名美ちゃんは腰を下ろすことも忘れ、ただただ幹夫が立ち去ってくれることを心の中で哀願しつづけるだけなのでした。

 その間にも、バイブは万有引力を受けつづけています。

  ずるるっ……。

(や、やだぁ……。出てこないでよ……)

 珠と珠の接合部分、バイブの『節』の部分が膣穴を通過するたびに、にゅぷんにゅぷんと括約筋が刺激されます。割れ目の表面と膣穴だけを愛撫していた『昨日までのおなにー』によって、膣穴は今や葉名美ちゃん最大の性感帯となっていたのです。

  ずにゅるるるるるっ……。

 そして、止まらない愛液により摩擦がどんどん減少して、バイブを構成する4個ほどの『節』が一気に小陰唇を撫で下ろした時、ついに葉名美ちゃんは耐え切れず、

「くあぁぁぁぁ…………」

 うっかり、お○んこの間違った部分に力を入れてしまいました。今や明確な感覚を覚えている、膣の奥のほうに。

  にゅるるるる……ぽとっ。

「…………あっ」
「……あっ」

 踏ん張った結果、一気にバイブが押し出されて……ついに、抜け落ちてしまいました……。
 破瓜の血で真っ赤に染まった樹脂の棒が、中途半端に閉じている膝を滑ってベッドの上に転がります。少し遅れて、スカートの中から鮮血と愛液がぴゅぱぱぱっ、と噴き出て、シーツを汚してしまいました。

「…………!」
「……は、葉名美っ! お、おまえ、やっぱり……!」
 幹夫は、ベッドに横たわる血まみれの棒に、驚愕の声を上げます。

 腰から一気に力が抜け、ぺたんと枕の上にお尻をつく、葉名美ちゃん。

「……あ、あぁぁぁぁぁあぁぁ」

(お兄ちゃんに怒られる)
(お兄ちゃんに嫌われる)
(友達にバラされる)
(みんなからえっちな娘だって噂されるぅ〜)

 嫌な妄想が次から次へと、葉名美ちゃんの頭を駆け巡ります。彼女の可愛い顔は今やすっかり青ざめ、恐怖にがくがくと震えています。

 ……ところが。

「……葉名美……」

 幹夫の口から放たれた言葉は、葉名美ちゃんにとってあまりにも意外な、そして非常に驚愕させられる言葉だったのです。


「葉名美……。それ、お、お尻で使った、バイブだぞ……」

「……えっ」


 挿入前に舐めて舐めて舐めまくった樹脂の味が、いまさらながらに口の中に広がります。

 おっしまい。