EPISODE-G「転入生は敵対者」より
「……さてっ、と。ナンモ、起きてるぅ?」
『……ついさっきまで、目を回していましたが』
「んもう。言葉にトゲがあるわよう。心が狭いんだからぁ」
ユリは保健室へとつながる廊下で、水筒に話しかけた。
「そんなことより、美紀ちゃんに精を分けてあげるのよう」
『しかし、ユリさまの分が……』
「ユリはまだガマンできるわよう。それより、美紀ちゃんを元気にしてあげないと、いろいろとお話できないでしょお」
『……わかりました。で、どういった形で?』
「んー」
ユリは唇に人差し指をあてて、考え込む。
「ユリはあんまり、体力使いたくないしぃ、かといっていきなりナンモとするのはアレよねぇ。とゆーわけで、ナンモがユリになるのよう」
『はい』
他人には聞こえないような小声での会話をしているうちに、保健室の扉の前にたどり着く。
「……あとね、あんまり時間かけたくないからぁ、男のままでいいわよう」
『男性形の、ユリさま、ですか?』
「そうよう。たぁっぷり、注入してあげてねぇ。痛く、ないようにぃ」
扉を開ける。都合よく、保険医はいないらしい。ユリは後ろ手で扉を閉め、カギをかけた。
美紀の寝ているベッドはすぐわかった。もともと、ここには二台しかベッドはない。窓際の方は空で、もう片方はカーテンが閉まっていた。ユリはカーテンを少し開けて覗いてみる。美紀は安らかな寝息を立てていた。顔色はあまり悪くない。
「……ほいじゃ、ユリはコッチのベッドで休んでるから、よろしくねぇ」
『はい、ユリさま』
ユリは水筒のフタを開けた。にゅるっ、と中からやや紫がかった透明な液体があふれでてくる。しかしその液体は床にぶちまけられる前にゆらゆらと形を整え、裸の少女になった。ユリにそっくりだ。ただし、股間にはその容姿には不釣り合いな巨根がだらりとぶら下がっている。
「ちょちょちょっとぉ、美紀ちゃんを殺す気ぃ? もっとおとなしくしなさぁい」
『す、すみません。これは、ユリさま用でした』
ユリがその言葉にむくれる。
「よけーなコトは、言わないのよう。人をゆるゆるみたいにぃ」
ユリはナンモのペニスが縮むのを確認してから、隣の空いたベッドに入る。カーテンを閉めた。
ユリの姿をしたナンモは、美紀のベッドに潜り込んだ。今のナンモの視覚や聴覚などは、ユリにもモニターされる。ユリはベッドに横たわったままで、ナンモを通した美紀の嬌態を感じることができるのだ。言いたいことがあれば、ナンモの口を通して喋ることもできる。
『美紀ちゃん、美紀ちゃん』
「ん……」
ナンモの口から、ユリの声が出る。呼びかけられた美紀は、眠そうに寝返りを打った。ゆっくりと目を開ける。
「……お、おねぇさまっ」
『ごめんねぇ。今から、精を分けて、あげるからぁ』
身を起こしそうな美紀の肩を押し止めて、ナンモもベッドに上がる。なぜいきなり全裸なのか、美紀の思考が混乱する。さらに股間にあるものも見つけて、更にわけがわからなくなった。
『いいのよう。そのまま、ユリに身体をまかせてぇ……』
そんな美紀の混乱を包み込むように、ナンモは問答無用のキスをする。濃密な精が紫色の呼気となって、美紀の口に流し込まれた。
「んっ、ん……おねぇさまぁ」
『美紀ちゃん、きもちよく、したげるからねぇ』
ナンモの唇が首筋を這った。もう美紀の身体から、強ばりはなくなっている。ナンモはブラウスのボタンを器用に外しながら、唇を胸元に這わせる。
「あっ」
舌先で、美紀の乳首をとらえる。ちろちろと舐め上げると、美紀は身体を反らせた。ナンモは美紀の身体を押さえつけるようにして、丹念に乳首を愛撫した。
その先が次第に固くなってゆく。幼いながらも懸命に勃起する乳首を力強く吸い、ナンモは美紀の太股を撫でた。内腿に触れると、美紀は脚を閉じてしまう。しかし優しくさすると、美紀はおずおずと脚を広げた。
ナンモの手が美紀の下着にたどり着いた。木綿の生地の感触を味わいつつ、股布のあたりをこする。
『あー、美紀ちゃん、また、してたでしょぉ』
「…………」
『保健室でおなにぃ、なんて、悪い子ねぇ』
股布には、ナンモの愛撫だけではない染みができていたのだ。
『なにを考えながら、おなにぃ、してたのよう?』
「……お、おねぇさまのコト」
ナンモの指が、意地悪く染みをなぞる。
『ユリに、なにをしてもらってるトコロぉ?』
「お、おねぇさまに……舐めて、もらってたの……」
『ドコを?』
「いま、指でさわってるところ……んんっ」
ナンモの指は、染みを押し拡げるようにして撫でている。少し乾き始めていた染みが、新たに潤い、その面積を広くしてゆく。
『よかったわねぇ。その妄想、現実に、なりそうだわよう』
「んっ……な、舐めて、舐めてほしいの……」
下着の横から、指が内部に侵入する。幼い少女の股に刻まれた裂け目が、ぬるぬるとした液体で満たされていた。
「あんっ、あ、ああっ」
ちゅぷっ、と音をたてて裂け目に潜り込む。裂け目にそって指を動かすと、上の方に固くなった芽が見つかる。ナンモはそれを、強く押したのだ。
『ココ、舐めて欲しいんでしょぉ』
「ん、んん、うんっ、な、舐めて」
『なら、おねだり、しなくちゃぁ』
「え?」
ナンモは指を裂け目から抜き取り、身を起こした。脱がされかけの美紀が、名残惜しそうにユリを見上げる。もっと続けて欲しいのだ。
『……舐めてほしいトコロを、ユリにしっかりと見せるのよう』
「そ、そんなぁ」
美紀が潤んだ瞳でユリの姿をしたナンモに抗議する。
『あれ、恥ずかしいんだぁ。学校で、おなにぃしちゃうような美紀ちゃんでもぉ』
「や、やだぁ……おねぇさまの、イジワル」
美紀は更に瞳を潤ませた。今にも泣き出しそうだ。
『イジワルなんかじゃないわよう。ユリ、美紀ちゃんのとぉっても淫らなカッコ、見てみたいのよう』
そう言って、ナンモは美紀を無理矢理うつ伏せにする。
「きゃっ」
『さぁ、そのカッコで、ユリにえっちなトコロ、拡げて見せるのよう』
「……う、ん」
美紀は顔を真っ赤にしながらも、ユリの命令に従った。うつ伏せのままでおしりを上げると、スカートの下から白いパンツがまる見えになる。その格好のまま、しばらく動きを止めた美紀だったが、やがて意を決したのか、片肘をついて身を支えると、もう片方の手でパンツを下ろし始めた。ナンモはなにもしないで、ただその姿を見つめている。
「…………」
パンツから片足を抜いた。美紀の恥ずかしいところを隠すものは、これでなくなった。少しだけ開いている裂け目だけではなく、すぼまったアヌスまでが、外気にさらされている。美紀は風を感じて、耳まで赤くなった。ユリに何度でも見られている場所なのに、こうして自分からさらすというのはとても恥ずかしかった。
『……ユリ、よく見えないなぁ。指で、開いてくれたら、もっとよく見えるのにぃ』
「…………」
美紀には、ユリが何を要求しているのか、わかっていた。自分から見せつけるという恥ずかしさと、ユリに舐めてもらえるという期待が、心の中で葛藤しているのだ。期待の方が勝つことなど、自分でもよくわかっているというのに。
結局、美紀は自分の手を股間にあてた。人差し指と中指で、幼い裂け目を開いてゆく。淫らな蜜で、粘膜が濡れ光っている。
ユリ、そしてナンモがその光景に見とれた。
服をはだけ、半脱ぎになった幼い少女が、四つん這いになってこちらに性器を誇示している。めくり上がったスカートから続くおしりのラインはまだ脂肪が少なく、急カーブを描いている。露になったアヌスもスリットも、いまだ一本の恥毛も持たず、全てをさらけ出している。
更に、恥ずかしがりながらスリットを自分の指で拡げている。自慰の名残か愛撫への期待か、そこはたっぷりと潤っているし、包皮を押し上げるようにクリトリスが肥大している。
──こりゃ、こぢろーが見たら、一発でキレるわよう。
片足の太股に垂れ下がるパンツは、マニアが好むシチュエーションだ。更に美紀は白のハイソックスを履いたままなのだ。ロリコンの小次郎が見れば、すぐに理性を失ってしまうだろう。恥ずかしげにこちらに顔を向ける、美紀の真っ赤な顔も嗜虐心を煽るだろう。
それはユリにとっても例外ではない。ユリは想像以上のエロティシズムに震え、自分のスリットもムズムズしてきたのを感じた。
──もう、ユリもしちゃうわよう。
隣のベッドでおとなしくしているつもりだったユリ本体は、自分のパンツに指を差し入れた。ねっとりとした愛液を、徐々に大きくなるクリトリスに塗りたくる。
「んっ……」
「え?」
美紀は驚いた。今、誰もいないはずの隣のベッドから、声がしたような気がしたのだ。「お、おねぇさまぁ、となりに、だれか……」
『だ、だれもいないわよう。それよりも、ほら、ご褒美よう』
ユリはナンモの口でごまかすと、唇を噛みしめて自慰を始める。
ナンモは美紀のおしりに両手を置き、舌を長く伸ばす。アヌスとスリットの間をぺろっと舐める。
「あんんっ、くすぐったいぃ」
ぺろぺろとくすぐりつつ、スリットの中に舌を挿し入れる。美紀の腰が喜びに震えた。
「んっ、んっ、あ、あふぅ」
ぴちゃぴちゃと音を立てて、ナンモは美紀の淫液を舐め取る。美紀は更に高くおしりを掲げて、ナンモの舌を下に導こうとする。
下、つまりクリトリスに舌が触れると、美紀は嬌声をたてて枕を抱き抱えた。
「あああん、くふぅっ、んん、んああぁ」
ナンモはクリトリスを強く吸い、指でアヌスを揉みほぐした。美紀は枕を強く抱き締めて、顔を押しつける。くぐもった声になった。保健室の外に、声が漏れたら大変なことになるからだ。
「んんっ、んっ、んんん、んんぅ」
美紀の淫液とナンモの唾液の混合液が、スリットからシーツにしたたる。とても小学生とは思えない分泌量だった。無毛のスリットがてらてら濡れ光っている。
ナンモは舐めるのを切り上げ、自分の中指をくわえた。たっぷりと唾液を絡ませる。荒い息をつく美紀が、なんでやめるの、と振り返ろうとした時、中指が美紀のスリットをえぐった。
「ふわぁぁぁぁんっっ!」
未発達の膣口だが、充分な潤滑液のお陰で、なんなくナンモの指を飲み込んだ。ずん、ずん、とリズミカルに突く指が、美紀の膣壁をかき回す。指先が奥に突き当たる度に、きゅっと指を締めつける。
ナンモの舌は、美紀のアヌスの皺をなぞっている。指が突く度にひくひくと痙攣するアヌスを、優しく舐め上げている。美紀の枕に押しつけられてくぐもった声が、悲鳴のような音になった。
『……そろそろ、いくわよう。ほんとは、美紀ちゃんに舐めてもらいたかったんだけどねぇ』
「……ん、え?」
指が抜かれると、今度はもう少し大きくて太いものが入ってきた。
「あ、あ、あああんんんっ!」
それは、ナンモの怒張したペニスだった。
ユリの姿をしたナンモのペニスが、美紀をそのまま後ろから貫いたのだ。
「んん、んぁ、あっ、ああっ、くぅぅ、はぁっ」
ナンモの恥骨と美紀の尾てい骨が衝突する。本来ならば成熟した男女とは違い、痛々しい音をたてるはずだが、その点はナンモの気遣いによって、やわらかくした恥骨がクッションになっている。ぱん、ぱん、と、大人たちのセックスのような小気味のよい音だ。
それでも膣の幼さはどうしようもない。大量の淫液に守られつつも、激しい摩擦に慣れていない膣壁が悲鳴を上げはじめる。美紀は快感に酔いつつも、ナンモのペニスに翻弄されてゆく。
『……美紀ちゃん、美紀ちゃん』
「ふわぁぁんっ、んんっ、っ、っあうぅ」
『いっしょに、イクわよう』
長時間の抽送に耐えられないと判断したユリは、早めに切り上げることにする。ナンモの指を美紀のクリトリスに置かせて、美紀の性感を高める。抽送のリズムに合わせて刺激すると、美紀の柔襞が健気にナンモのペニスに吸いついてくる。ナンモは腰の動きを早めて、美紀の性感とシンクロさせた。
そして隣のベッドで自慰に耽るユリ本体も指の動きを早め、絶頂にのぼりつめようとしていた。右手でスリットをかき回し、左手ははだけた胸元の乳首をつまんでいる。
「おっ、おねぇさまぁっ、わたし、わたし……」
美紀はナンモに後ろから貫かれながら、枕を抱き締めた。全身を電気のようなぴりぴりした刺激が駆け抜けてゆく。ぢゅぽっ、ぢゅぽっとペニスのえぐる音と、ぱんっ、ぱんっと尾てい骨を打つ音だけが、耳に入ってくる。
「も、もう、だめぇぇぇ、はじけるうぅぅぅ!」
美紀が枕に顔を強く押しつけ、全身を震えさせた。膣はナンモのペニスをぎゅっと締めつける。ナンモはきつくなった膣へ最後の一突きをくらわせ、精を放った。
びゅくびゅくびゅくっ。
「あうぅんんんんんっ」
暖かいというよりも熱いほとばしりが、美紀の奥深くに叩きつけられた。
ナンモがペニスを抜くと、美紀の身体からも力が抜けた。しかし姿勢はそのままだ。ぽっかりとあいたままの膣口が、抽送の激しさを物語っている。
中出ししたはずなのに、美紀の掲げられたスリットからしたたるのは、透明な液体ばかりだった。内腿を伝ってシーツに水たまりをつくったその液体は、ナンモがとびきり上級の精を凝縮させて作った擬似的な精液なのだ。放出された時点では濃密な精エネルギーを持っていたが、そのエネルギーのほとんどは美紀の膣から、子宮口の粘膜から吸収されているはずだ。だから本来は紫色であるはずの疑似精液も、すっかり透明な、ただの水になってしまっている。
ナンモはベッドから降りて、美紀のおしりを眺めた。ユリさまの次ぐらいに、美しいおしりだとふと思った。
「……なぁに、こぢろーみたいなことぉ、考えてるのよぅ。ひょっとしてナンモもぉ、ろり、にぃ目覚めちゃったのう?」
『と、とんでもありません、ユリさま』
隣のベッドから、見透かしたユリの声がかかる。その声が妙に艶っぽいのは、ユリも絶頂寸前までいっていたからだ。絶頂までいってしまうと、淫魔であるユリはその体内の精エネルギーを外界に解放してしまう。自慰なら多少のセーブはできるとしても、空腹時の今は少しでも精エネルギーをロスするべきではないのだった。