EPISODE-F「明後日は始業式」より

「おはよ、こぢろー」
 残暑厳しい八月も終わり頃、篠沢小次郎はそんな甘ったるい声で起こされた。
「ん……まだ八時じゃないか」
 わしゃわしゃと頭を掻きむしり、小次郎は目覚ましを手に取ってむっくりと身を起こした。ここは小次郎のアパートだ。クーラーもないのでトランクス一丁にシーツ一枚の姿だ。
「そうよう。りっぱに朝、じゃないのう」
 ユリは布団の上で寝ぼけている小次郎に微笑みかけた。
 ユリはピンクのすけすけネグリジェ姿だった。フリルが段になっている。最近ユリはすっかり通信販売にはまっていた。普通なら、小学生用のすけすけネグリジェなど、そうそう売っているはずもない。通信販売にしても、よくぞ見つけたとしか言いようがない。
「なんだよ……まだ夏休みは終わってないだろう? 無意味に早起きするなんて、淫魔らしくないぞ」
「無意味、じゃないわよう。昨日言ったでしょお」
 ユリは小次郎の顔につめ寄った。
「今日は、美紀ちゃんと宿題、やるのよう」
「宿題って……お前はもうとっくに終わってるんだろう?」
「ちっちっちっ」
 ユリは鼻先で人指し指を振ってみせた。
「自由研究が残ってるのよう。でね、美紀ちゃんと共同でやろー、って」
「ふーん」
 小次郎の意識が、だんだんとはっきりしてきた。血圧が上昇し、脳に新鮮な酸素が供給され始める。
「……で?」
「え?」
「で、なんで、オレも起きなきゃならんのだ。ユリに用事があるのはわかった。しかし、だからといってなんでオレまで起きにゃならんのだ!」
「んもー、こぢろーのいけずぅ」
 ユリがわざとらしい笑みを浮かべる。小次郎は、この笑みの意味するところを知っていた。
「ま、まさか……」
「ユリが起きたんだものう。朝ゴハン、必要でしょぉ」
「ちょ、ちょっと待て。お前、昨日あれだけ……」
「きのーはきのー、あれは晩ゴハンよう。ごろにゃぁぁんっ」
「わっ」
 ユリは布団の上の小次郎に飛び掛かった。力の入っていない小次郎は、簡単に押し倒される。
「……ほらぁ、こぢろーだって、ね」
「こ、これは、自然の摂理というものであって……」
「ユリ、感激ぃ。ユリのために、こぉんなになってるんだよねぇ」
 ユリの手が、小次郎のパンツを撫でている。テント状になっているところだ。
「ユリもねぇ、昨日のこぢろーを思い出しただけで……こぉんなに……」
 小次郎の手を自分の股間に導いて、ユリは照れくさそうに笑う。小次郎の指先が、湿った布地の感触を伝えてくる。小次郎はついどきっ、とする。
 ──い、いかん。これがユリのテなんだ。これは全部演技、演技なんだぞ。その気になんか、なるんじゃないぞ、オレ。出せるものは、昨日全部出しちゃったじゃないか。これ以上出したら、赤い玉が出て打ち止めになっちまうぞ。耐えるんだ、オレよ。
「……なぁに、ガマンしてるのよう。そんなに目ぇ閉じなきゃガマンできないんなら、ガマンしないほうがいいじゃないのう」
 するり、とシーツにもぐり込んだユリが、小次郎の剥き出しの胸に指を這わせる。微妙な指先の動きが、小次郎の男としての本能をくすぐった。
「ぐっ……」
「あー、まだソノ気になんないんだぁ。いいもん、実力行使、しちゃうからねぇ」
 ユリは目をとろんと潤ませて、小次郎の顔を覗き込んだ。小次郎は視線を感じてつい目を開けてしまう。視線が絡み合った。ユリの情欲に満ちた表情は、とても小学生の少女のものではなかった。
 淫魔──特に女性の淫魔はサキュバスと呼ばれる。キリスト教による倫理社会において、淫蕩の欲求を持つ者たちによって作り上げられた架空の存在、そう一般には言われている。しかしユリは本物の淫魔、サキュバスなのだった。キリスト教が普及する以前から存在し、人の精を吸収して不老不死に近い肉体を持つユリは、ヨーロッパのとある遺跡に封印されていたのだった。そしてその封印を解いたのが小次郎なのだった。
 それ以来、ユリは小次郎の妹篠沢ユリとして、この日本で生活をしているのである。はためから見れば、ユリは日本人の少女そのものに見える。誰も疑うものはいなかった。当の小次郎でさえ、もしかして本当にユリは自分の妹なのではないか、と思うことさえある。ただし、時折ユリの見せる不思議な力と、この年齢不相応に蠱惑的な笑みが、事実は小説より奇なり、ということを思い知らせてくれた。
 その蠱惑的な笑みが、小次郎に迫った。唇に唇が重ねられる。ユリの舌が小次郎の唇をなぞり、割って入り、小次郎の舌に絡められた。ねっとりと互いの唾液が混じり合う。ユリが唇を離すと、唾液が糸を引いた。
「うふふふふ」
 ユリは楽しくて堪らないようで、引いた糸を指でくるくると絡め取り、小次郎の腹を膝で跨ぐ姿勢で身体を起こした。
 黒く長い髪がはらりと舞い、たとえようもなく濃密な色香が辺りに漂う。小次郎はユリから目が離せなくなった。ピンクのネグリジェは、ユリの肢体を隠す役割など少しも果たしてはいない。むしろ白く透き通るようなユリの肌を装飾しているだけだ。淡く色づいた幼い乳首でさえ、しっかりと確認できる。
 ユリの肉体は、封印時に少女のものにされている。ユリの淫魔としての力を封じるための処置らしい。そしてその封印はまだ解かれていないので、ユリは十歳程度の少女にしか見えない。しかしこういった時、ユリは肉体からは予想がつかないほどの色香を放出するのだ。普通の成人女性など足元にも及ばないような艷気で、小次郎を魅了するのだ。
「んふふふ、どう? ソノ気になっちゃったぁ?」
 いたずらっぽく訊ねるユリの赤い唇が、さらに小次郎を煽り立てる。
「……おしりにあたってるの、すっごく熱くなってきてるわよう」
 わざとお尻を動かし、小次郎のテントを刺激する。
 ユリは再び小次郎に覆いかぶさると、今度は首筋に強く吸いついた。キスマークがつきそうなぐらい強く吸ったあと、小次郎の乳首に舌を這わせる。
「くっ……」
 小次郎が呻いた。
 ユリの右手はすかさず小次郎のテントに伸ばされた。トランクスの上から、ゆっくりとなでまわす。ぎゅっ、と握ると、いきり立った小次郎のペニスの形がはっきりと判った。ユリは強く握ったり優しく撫でたりして、小次郎のペニスを弄んだ。
「うふ、こぢろーの、とぉっても元気よう」
 両乳首を充分に吸ってから、ユリは身体を反転させた。小次郎の顔にお尻を向け、ぴんぴんに張ったテントにキスをする。
「これは、脱がすのがたいへんだわよう」
 そう言ってユリは、トランクスの上からペニスを口に含んだ。
 小次郎はトランクス越しの舌の感触に酔いながら、ユリのお尻を見ていた。珍しく白ではないミントグリーンのパンツが、ユリの口の動きにあわせて微妙に揺れる。たまに腰をあげると、ユリのスリットにかすかに食い込んだ布地に染みがあるのが見える。
 ──こうなりゃ、やるしかないじゃないか、なぁオレよ。
 自分自身に語りかけて、小次郎はユリのお尻に手を伸ばす。
「……ほへ?」
 ユリは小次郎のペニスから口を離して、嬉しそうに微笑んだ。
「やっと、ソノ気になったわねぇ」
 小次郎の手が、ユリのお尻を揉みしだく。両手でお尻を覆うようにして、そして親指でパンツの布が二重になっている辺りを擦った。ユリの身がよじられる。
「あんっ、そ、そこぉぉ」
 わずかにあった染みがどんどん大きくなり、スリットにぴったりとへばりついた。小次郎は容赦なく、親指を動かしつづける。くちくち、と粘液の立てる音が淫靡だ。
「んっ、んふっ、じゃ、こっちも、は、反撃よう」
 ユリは荒い息をつきながら、小次郎のトランクスに手をかけた。ペニスが引っ掛かるのを苦労して、なんとか膝まで下ろすことに成功する。
「わぁ、いいにおいぃ……」
 怒張したペニスの先に滲む先走り汁の匂いが、ユリの鼻孔を刺激する。うっとりとしながら、ユリはペニスに指を絡ませた。唇を尖らせて、尿導口に吸いつく。ちゅっちゅっと音を立てて吸ったあと、亀頭を口に含んだ。小さなユリの口は、それだけでいっぱいになる。
 小次郎も負けてはいない。ユリのミントグリーンのパンツのゴムを引っ張り、じわじわとお尻を剥き出しにさせてゆく。お尻の割れ目が、かわいくすぼまったアヌスが、そして強く引っ張るとやや開いたスリットが姿を現した。そこまでくると、ユリも協力して片足を上げた。すかさず小次郎は、ユリのパンツを片足だけ引き抜く。白くまん丸なユリのお尻が美しい。めくれ上がったネグリジェというのも小次郎を興奮させた。
 しかし小次郎はしばらくじっと見つめていた。
「……あによう。なんにも、してくんないのう?」
 ユリは焦れて、つい口にする。小次郎は意地悪く、ユリに訊ねる。
「なにを、して欲しいんだ?」
「んもう、そーゆーこと、ゆーんだからあ」
 ユリは質問には答えず、お尻を左右に振って見せた。ようやく、小次郎はユリのお尻に再び手を伸ばす。がっしりと掴んで、引き寄せた。
「きゃっ。いきなり……んっ」
 小次郎の舌が、まっすぐスリットに押し当てられた。小次郎の顔に跨がる姿勢になっているから、スリットはすでに開いている。幼いそこには勿論一本たりとも恥毛は存在せず、つるりとした白い肉に裂け目がはしっているだけだ。
 裂け目の奥側には、まだ包皮に守られたままの小さなクリトリスがあった。小次郎の舌はすぐにそこにたどり着き、包皮をまくり上げるように刺激した。
「あっ、あっ、んんっ、はぁっ」
 ユリが鼻にかかった声を立てる。幼いはずのクリトリスはまたたく間に膨らみ、小次郎の舌によって簡単に包皮がめくられる。つん、とクリトリスが頭を出した。
 小次郎はそれに吸いつき、舌先で転がす。ユリは声にならない声をたて、小次郎の身体にすがりついた。しかしユリも負けてはいられない。すぐに反撃を開始する。
 大きく口を開け、一気に小次郎のペニスをくわえこんだ。唾液を絡ませ、音を立ててペニスを激しくしごく。小次郎もその快感に一瞬酔いしれ、クリトリスを吸うのを止めてしまいそうになった。それでもすぐに気を持ち直し、より強くクリトリスをしゃぶり、親指でスリットの内側を揉む。スリットの奥にぽつんとある小さな膣から漏れ出す蜜で、スリット全体がぬるっと潤んでいた。
「ひゃうううぅんっ、き、きもちいいのう。もっと、もっとユリの、ユリのいじって……こぢろーの指で、かき回してよう」
 ユリのリクエストに答えて、小次郎の親指がスリットのより深くにもぐり込んだ。小さな穴のはずなのに、太い小次郎の指はなんなく膣に呑み込まれてしまう。小次郎が内壁をひっかくように親指を動かすと、濃密な愛液がかき出されて小次郎の喉を潤した。
「ひゃんっ、いい、すっごいのぉ……んんっ」
 ユリもより激しく小次郎のペニスにしゃぶりつく。そえた右手で膨れ上がった肉茎を強く早くしごいて、口の中の亀頭を舌でこねくり回す。そうすると、怒張しきっていたと思われていた小次郎のペニスは、更に大きさと硬さを増した。ユリは苦しくなってペニスを吐きだした。自分の唾液で濡れ光っているペニスをとろんとした目で見つめ、右手でしごきつづける。
 しかし小次郎の愛撫はやまず、ユリは腰を震わせた。
「あんっ、ね、ねぇっ、ごぢろー、も、いれよ、ね、こぢろーの、欲しいのよう……」
 その言葉に答えて、小次郎は愛撫をやめた。ユリは少しだけ休んで、呼吸を整える。
「……こぢろー、昨日ので疲れてるのよねぇ。ユリがね、入れてあげるわよう」
 ユリはそのまま這って、小次郎の膝にすがりついた。腕をついて身を起こすと、ちょうど小次郎の下腹部にスリットがある。
「……やんっ、ネグリジェ、よごれちゃうぅ」
 自分のスリットも小次郎のペニスも、唾液や愛液でべどべとになっている。ユリは恥ずかしげに頬を染めながら、指先でそっとネグリジェの裾をつまみ上げる。首を回して、照れ笑いを小次郎に向けた。
 ピンクのネグリジェに透ける白く細い裸身。その上に被さる黒く艶やかな長い髪。持ち上げられた裾の下には、下着を脱いで剥き出しになったお尻。そして恥ずかしそうに振り向く美しい少女の顔。
 小次郎ならずとも、はっと息を呑む情景だった。
 ユリは膝で少しずつ前進して、スリットとペニスを擦り合わせた。
「やんっ、これだけでも、きもちいい……」
 くちゅくちゅと音を立て、硬いペニスに柔らかい小陰唇が押し当てられ、動かされる。時折亀頭とクリトリスが触れ合い、互いの腰がびくっと揺れた。
「……んっ、でも、やっぱり、こぢろーの、こぢろーのが膣に欲しいのよう」
 ユリは小次郎のペニスを手で持って、腰を浮かせた。ゆっくりと腰を下ろす。ねっとりとした粘膜が、スリットの深奥へペニスをいざなう。
「っ……お、おっきいぃ」
 幼く狭いはずのユリの中に、小次郎のペニスはなんなく呑み込まれていく。
「ふわぁぁぁ」
「くっ、あいかわらずキツいな……」
「あぁんんっ、こ、こぢろーはぁ、うごかなくて、いいぃんだからぁ。ユ、ユリが、きもちよくさせて、あっ、あげるのおぉ」
 ペニスを深々とめり込ませて、ユリは振り返って小次郎を見た。息をはずませて、腰を円形に揺さぶる。小さな少女の膣と怒張しきったペニス。どう考えても無茶な組み合わせなのに、ユリの愛液がその差違を緩和している。
 ぐりっ、と食い込むペニスを受けとめ、ずるっと引き出されるペニスを吐き出す。その瞬間、ユリの内部の柔肉がややめくられて、愛液に艶めく秘められた領域が外気にさらされるのだ。
 小次郎はその様子をうっとりと見つめていた。ユリ自身が腰を振っているので、小次郎はされるがままに任せている。下半身を支配するねっとりとした快感を味わいながら、ユリの秘部と自分のペニスの睦み合いを眺めている。
「あ、あ、あんっっ……こぢろー、きもちいい?」
 ユリが腰を振りながら、問いかけた。小次郎は答える代わりに、優しくユリの白いお尻をなでてやった。それだけで、ユリは満足そうな吐息を漏らす。
 小次郎はユリのお尻に置いた手で、柔らかいラインを描くお尻の双丘を割った。はっきりと、ユリのかわいらしいアヌスが姿を現した。ユリの腰の動きに合わせて、ひくひくと蠢くのがよく見える。
「あっあ、あんっっ、ま、またこぢろー、そこ、す、好きなんだからぁ」
 ユリが恥ずかしそうに言う。恥ずかしいだけではない。そこは淫魔であるユリにとっての、最大の弱点であった。
 絶頂に達してしまった時、淫魔はその内部に吸収した『精』エネルギーを、すべて放出してしまう──つまりそこは、ユリにとっての一番の性感帯であり、もっとも『精』を放出してしまいやすいポイントなのだ。
 そして小次郎にとっては、ユリのアヌスは大好物だった。目がないのだ。気がつくとつい、そこを攻めてしまう。ユリの反応がよくなるからだ。
 しかし、今日の小次郎は、ユリのアヌスをしげしげと見つめた後、そこには触れずに身体を起こした。
「んっ、きゃあっ?」
 ユリはバランスを崩し、前に倒れ込む。それでもペニスは抜けない。四つん這いになったユリの腰を小次郎は掴んで、強く引き寄せた。
「ふわあぁぁぁんっ!」
 ずん、と深くペニスが打ち込まれる。まだ幼い子宮口に、小次郎の亀頭が頭突きを食らわせたのだ。ユリはその感覚に、つい前へと逃げようとする。が、小次郎はしっかりと腰を掴んでいた。容赦なく第二撃を加える。
「んぁぁっっっ!」
 ユリの長い髪が乱れ、ユリの涙を滲ませた顔を覆い隠す。ユリは急に立場が逆転したことに当惑し、ますます小次郎のペースにのせられてしまう。ユリの深奥を貫く棒に全てを支配され、ユリは小次郎の操り人形と化した。
「あっ、あん、んんっ、んうっ、い、いっちゃ、うようぅぅぅ」
 ──こ、こんなことなら、大人しく、しとけばぁっ、よ、よかった、わよう。
 ユリはぼーっとした頭の中で、少しだけ後悔した。ここで先にイカされてしまえば、昨晩補給した精まで放出してしまう可能性が大だ。それでは、元も子もないのだった。
 ──で、でもぉ、少しでもたくさん、美紀ちゃんにぃ……
「お、で、出るぞ、ユリ」
「ふわっ、あっ、えっ?」
 小次郎のいきなりの宣言に、ユリは振り返ろうとした。その瞬間、白く粘りのある液体が、ユリの膣ではじけた。
「んんんんっっぁん!」
「はぁっ、はぁっ……」
 小次郎は荒い息をつきながら、何度かペニスを打ちつけた。ユリの身体の奥底に、暖かくじんわりとした精のエネルギーが流れ込んでゆく。
「はぁっ、はぁっ……」
「んっ……こ、こぢろー?」
 ユリはぺたん、と布団の上に腹這いになって、顔だけ横に向けた。なんとか小次郎が視界に入るが、その顔まではよく見えない
「……ん? どうした、ユリ?」
「……だ、だって、なんか、早かったわよう」
「ははは……そりゃオレが早漏ってことかい!」
 ぺち、とユリの白いお尻を小次郎がはたいた。
「きゃん!」
「ははははは。さぁ、オレはちょっと疲れたぞう。もう一眠りするとするかな?」
 小次郎はごろり、と布団に横たわった。
「お前は出かけるんだろ? 時間はまだいいのか?」
「え? 時間って……きゃぁ!」
 ユリは腕立て伏せで起きあがった。
「も、もうこんな時間じゃないのう」
 ぱたぱた、と着替えを始めるために慌ただしく動き出した。せわしない足と足の間から、さっきの情交の証がぽたり、ぽたりとしたたり落ちる。
「お、おいおい、それ掃除すんの、オレかよ……」
 畳に点々とついた白濁液を見つめながら、小次郎は脱力した。
「……ま、いいけどね。こんなことぐらいで、二人の少女がラクになるんなら」
 聞こえないように呟いてから、小次郎は目を閉じた。